「ユンソナの韓国にオレオ!」を読んだ

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ユンソナの韓国にオレオ!

 韓国旅行に行く前に、「ユンソナの韓国にオレオ!」という本を読んだ。
 日本の芸能界で活躍しているユンソナさんは、韓国の全州(チョンジュ)出身だそうで、彼女に言わせれば「韓国の家庭料理が一番おいしいところとして全国的にも有名」だそうだ。
 「初めて日本に来て外食をしたときのおかずの少なさにびっくりしたんですけど、ソウルに出てきたときでさえ、全州に比べて品数が少ないってだけで“冷たいなぁ”と」思ったという。
 韓国人であるユンソナさんにとって、最近の日本人がお店に並んでまで食べたいとする気持ちがよくわからないとか、私は日本人も最近は同じだと思うけれど、韓国人は人通りの多い場所で人に接触しても謝らないとか、「韓国人は食べた物がおいしくても、「おいしーい」とか言わない」んだとか、なんでもないような観察が、さりげない自己弁護とともに紹介されていて、これが愉快で面白い。
 芸術新潮の韓国特集でも読んだけれど、健康維持を考えて食事を取るという「薬食同源」という考え方や、「“混ぜる”という意味のビビンと、“飯”という意味のパフからなる“ビビンパフ”」は、「混ぜれば混ぜるほどおいしくなる」とか、「きちんと混ぜないと、韓国のお母さんに叱られる」とか、ちょっとした解説がためになる。
 民族村で私も飲んだ“スジョンガ”についても、「干し柿とハチミツとシナモンが混ざった甘〜いお茶」についての解説もあり、軽い読物だけれど、私のような韓国初級者にとっては面白く読めた。
 「はじめに」のところで、「国というのは、知れば知るほど好きになっていくもの。私にとっての日本もそうで、住めば住むほど好きになっていきました。もちろん、はじめは戸惑うことばかりでした。言葉も通じないし、みんな優しい顔をしてるのにハッキリ言わないから本心がわからない。だから、一番最初に自分の想いを表現する言葉として覚えた日本語が“もどかしい”でした。挨拶しか知らない私が「もどかしい」と言うから、みんなも笑ってましたけどね」と書かれているが、文脈は違うし単に私の解釈に過ぎないけれど、日韓関係を考えるに、まさに「もどかしい」という想いが私にはある。
 そもそもが軽い読物なので、「昔の戦争によってついてしまった傷は、きっと日本にも韓国にもあるでしょう」といった過去の歴史についての記述は少ないけれど、「小さな国が肩を寄せあうようにしてできている私たちアジアの国同士で“アジアならではの交流”というものをもっと密接にしていければいいと思うんです」というユンソナさんの気持ちは深く共感できた。