センスグループの即時的理解をねらいとした音読・聞き取り活動のペアワークを授業に導入してみた

ペアワークで使うキッチンタイマー

 授業改革の第一弾は、センスグループの即時的理解の仕かけづくりとペアワークの導入である。
 これまでの私の授業では、副詞句・副詞節、名詞句・名詞節、形容詞句・形容詞節の概念を、文構造の理解として重視してきた。その際、文法用語の使用はなるべく最低限にして、統語論の理解のために以下の記号を生徒に使わせてきた。
 具体的にいえば、次の通りである。

    • 副詞句は(   )に入れさせる。
    • 名詞句や名詞節には、下線を引かせる。
    • 分詞を用いた形容詞句や関係代名詞を用いた形容詞節などによる修飾関係には、矢印を書かせて修飾関係を明らかにさせる。
    • Whenなどの副詞節を用いた従属節には斜線を1本、andなどの等位接続詞を用いた区切りには、矢印を2本入れさせる。

 ようするに、統語論の理解を土台にした訳読授業である。これはクラス人数が多い高校段階の指導だからであった。それで以上のような指導法は、クラス人数が多く教材の難度が高く精読中心の場合は効果を発揮したのだけれど、教材の難易度が下がり、また抽象的な講義が苦手な生徒が増えるにつれて、効果を発揮しにくくなってきた。
 さらに、授業全体としては真面目で硬い授業であり、楽しさに欠け、生徒のアクティビティもペアワークも欠けていた。
 ただ多少の自己弁護をするとすれば、そうした単調な授業を補っていたのは、私の経験的雑談であったかもしれない。ただ、そうした雑談が生徒の認識を変えることが仮にあったとしても、英語の力がついたかといえば、その効果についてははなはだ疑問である。私も、そうした話を動機づけとして、英語に興味関心をもってもらい、授業以外で自ら努力する高校生の育成に期待してきたというところだ。
 だから、かけだし英語教師の頃は、とくに選択授業でアメリカ合州国の映画や歌を導入したり、ときにはテレビ番組としてクイズ番組を見せたりしたことがあって授業に対して多少意欲的だったが、残念ながら今の私の授業は、常に魅力的で、楽しく、かつ新しい授業とは言えないだろう。