そこで、統語論が重要だという考え方は基本として変わらないのだけれど、次のことを考えてみた。
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- 英語のフレーズを見て、即座に理解できる力を育てたい
- 教師の説明からの理解ではなく、生徒自身の活動から体得させたい
- フラッシュカードのように、スピードを導入したい
- 生徒どうしの関わりによるアクティビティを導入したい
- 音読を重視させ、聞き取りが大切であることを生徒に自覚させたい
それで、以上の力を育成させるための教材として、最近ANVPプリント*1というのを考えてみた。
ANVPプリントとは以下のようなものである。
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- 教科書のセクションごとに*2、副詞句のグループ、名詞句と名詞節のグループ、動詞句のグループと、三つのグループに分けたプリントを作成する。
- それをA4サイズの紙の両面に同じ内容を印刷する。
ANVPプリントの使い方はこうである。
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- プリントの音読の練習をする。
- それぞれのフレーズの意味を確認し、副詞句、名詞句(節)、動詞句という概念に合致した正確な日本語の訳を片面に書かせる。
- ペアワークとして、二人のペアをつくり、立たせて、一人がプリントを見ながら英語のフレーズを音読する。相手は、プリントを見ないで、相手の発音を聞いて、即座に日本語の意味を言う。
- 一人でトレーニングをおこなう場合は、日本語の書いていない片面の内容を見てフレーズ一つひとつを黙読する。意味がわからないものがあれば、プリントをひっくり返して、日本語の意味を確認する。
- ペアワークにしても、自分ひとりでやるにしても、プリントを何度も音読したり黙読したりすることが大切なので、5回やったら星印をひとつつける。星印を5個つけるくらいまでやって完璧に理解することが望ましい。
- 副詞句のグループ、名詞句・名詞節のグループ、動詞句のグループであることを常に意識させる。
ANVPプリントのいい点は、分詞の形容詞的用法など、ことさら強調しなくても、名詞句や名詞節の中で体験的につかめることではないかと思っている。インプットの量が少ない最近の高校1年生にはいい活動ではないかと思う。とくに副詞句のグループ、名詞句・名詞節のグループ、動詞句のグループに分けるのは、なかなかのアイデアではないかと思っている。