沖縄、11万人が怒りの訴え

amamu2007-09-30

 2006年度の高校日本史教科書検定で、沖縄戦での住民の「集団自決」について、「日本軍に強いられた」等の表現に、修正意見がつけられ、「集団自決」における軍の関与に関する記述が削除されていたことが今年3月に明らかになっていた。
 昨日、沖縄で沖縄県民大会が開かれ、教科書検定撤回と記述の回復を求める決議を採択された。

 沖縄戦で日本軍が住民に「集団自決」を強制したとの記述が教科書検定で削除された問題で、検定意見の撤回を求める超党派沖縄県民大会が29日、宜野湾市海浜公園で開かれた。参加者は主催者発表で11万人。米兵による少女暴行事件を機に8万5000人が基地の整理・縮小などを訴えた95年10月の大会を大きく上回る「島ぐるみ」の集会となった。参加者は検定意見の撤回と記述の回復を求める決議を採択した。
 教科書検定意見の撤回を求める人たちで沖縄県民大会の会場は埋め尽くされた=29日午後3時49分、沖縄県宜野湾市宜野湾海浜公園
 沖縄県民大会で発言する読谷高校の津嘉山拡大さんと照屋奈津美さん=29日午後3時39分、沖縄県宜野湾市宜野湾海浜公園
 大会は県議会各派や県PTA連合会など22団体で作る実行委員会が主催。壇上には、独自に大会を開いた先島諸島自治体を除く全36市町村の首長や議長らが並んだ。
 沖縄戦体験者で実行委員長を務める仲里利信・県議会議長は「歴史的事実がねじ曲げられることは絶対に許すことはできない。県民大会は、住民を巻き込んだ悲惨な地上戦の惨禍に見舞われた沖縄が全国に発信する警鐘だ」とあいさつ。仲井真弘多知事も「文部科学省は県民の度重なる要請行動を真摯(しんし)に受け止めることなく、撤回要求に応じていない。強く抗議し、遺憾の意を表明する」と述べた。