イラクのジャーナリストがブッシュ大統領に靴を投げつける

YouTubeで、BBCの"Shoes thrown at Bush on Iraq trip"を見た。
http://jp.youtube.com/watch?v=6DTfRRWbS64&feature=channel

 突然のイラク訪問をしたブッシュ大統領がマリキ首相との共同記者会見で、5メートルほどの至近距離より、イラク人ジャーナリストから、靴を突然投げつけられた。
 このジャーナリストは、ムンタダル・アルザイディ(Muntadar al-Zaidi)というイラク人ジャーナリストで、イラクでは、靴の底は侮辱(insult)をあらわすという。フセイン大統領の像が倒されたときも、イラク人は、靴で像を叩いていたのも、そうした靴が侮辱を表すことからだとBBCが言っていた。
 BBCによれば、このジャーナリストは、片一方の靴をブッシュ大統領に投げつけながら、「こいつはイラク人民からの最後の贈り物だ、犬野郎」(This is a farewell gift*1 from the Iraqi people, dog.)と叫び、また、もう一足をブッシュ大統領に投げつけながら、「こいつは、未亡人や孤児やイラクで亡くなった全ての人々のためだ」(This is for the widows and orphans and all those killed in Iraq.)と、叫んだという。

 BBCは続けて、「イラク侵略以来、4千人以上のアメリカ軍が戦争で死んでいる」(Since the invasion, more than 4,000 American troops have been killed in the war)し、戦費として、$600 billionという莫大な金が使われた。少なめにみて、9万人のイラク人が殺され、400万の人々が難民となったイラク戦争
 ブッシュ大統領は、この突然の靴による侮辱攻撃に対して、なんとかかわしながら、「事実を知りたきゃね、彼が投げたのは、サイズ10の靴だった」(If you want the facts, it’s a size 10 shoe that he threw. )と能天気な冗談言ったが、この笑えない冗談のあと、白々とした沈黙が支配していた。
 これは、BBCが言っていたことではないが、このジャーナリストは、靴を投げた事実を認め、禁固15年の可能性があると、別の報道機関が報道しているが、どちらが罪に問われるべきかは、invasion(「侵略」)というコトバからも明白だろう。

*1:後の報道では、giftではなく、kissと紹介しているものがある。