「どんな状況でも核兵器にノーを」(吉永小百合)

amamu2014-08-06

 原爆詩の朗読を続ける俳優の吉永小百合さんの朝日新聞のインタビューを読んだ。

 吉永小百合さんは、「核兵器廃絶」と「核の傘」について、次のように語っている。

 どういう形にせよ、核の傘に入っているにせよ、あれだけひどい広島、長崎の原爆被害があったんだから、それをみんなしっかり勉強して、どんな状況でも核兵器はノーと言ってほしい。


 福島第一原発事故についても、「核と人類は共存できるか」という課題と向き合っている。

 本当の核の威力というものが私にはまだ分かっていない…。
 でも、原子力の発電というのは、特に日本ではやめなくてはいけない。これだけ地震の多い国で、まったく安全ではない造り方、管理の仕方をしているわけですから。どうやって廃炉にしていくかを考えないと。


 原発の再稼働や輸出の動きについては、次のように語る。

 「さよなら原発」と私は声を出していきたい。みんなの命を守るために、今、せっかく原発が止まっているのだから、今やめましょうと。
 …
 まだ毎日、汚染水など現場で苦しい思いの中で作業していらっしゃる方がたくさんいる。そういう中で、外国に原発を売るというのは、とても考えられないことです。


 集団的自衛権の行使容認の閣議決定については、次のように語る。

 今の流れはとても怖い。大変なことになりそうな気がしているんです。
 …
 政治が悪いから、と言っている段階ではない気がします。一人一人の権利を大事にし、しっかり考え、自分はどう思うかを語らなければいけない。


 教育の課題についても触れられている。

 「例えば朗読を聴いた学校の先生たちが子どもたちに教えてくださり、その時の生徒が今、先生になって、ご自身が子どもたちに教えてくださっている。そういうことが大事なんですね。受け止めてくださった方が、また次に伝える。それが被爆者の方たちの一番の願いだと思うし、ご年齢的にもなかなか、先頭に立って動けない場合もあるから、私たちがその思いを受け止めて伝えていかないと」

 「全然そういうことを知らない、知ろうともしない人たちにどうやって分かって頂くかが一番の問題でしょうね。スティーブン・オカザキという日系アメリカ人の監督がドキュメンタリーの冒頭で渋谷の女子学生にインタビューして、『1945年8月6日に何が起きたか知ってる』って聞いたら、『えー、知らない、地震?』って。鳥肌が立つほど悲しかった。みんながあのときの痛みを分かろうとしないといけないと思います」