「新・野球を学問する」を読んだ

新・野球を学問する

 桑田真澄平田竹男著の「新・野球を学問する」を読んだ。
 そのむかし、ロバート・ホワイティング(Robert Whiting)氏の"You Gotta Have Wa"を斜め読みして、日本に野球を導入した時期の立役者の飛田穂洲の名前をかすかに憶えている俺としては、飛田穂洲の「野球道」の内容として、「練習量の重視」「絶対服従」「精神の鍛練」に集約されるという説明は興味深い。またそれが戦時中の敵国スポーツという攻撃から野球を守る防御でもあり、改善されるべきものであるにもかかわらず戦後まで引きずってしまっていると。そんな内容と理解した。

 さらに、桑田真澄さんの「野球道」の「再定義」として、「練習量の重視」に対して「練習の質の重視」を、「絶対服従」に対して、「尊重(リスペクト)」を、「精神の鍛練」に対して、「心の調和(バランス)」を、カウンターとして提案していることに刺激を受けた。
 新しいパラダイムを必要としているのは野球だけに限らないと思う。