「毎日新聞調査 内閣支持36% 前回から10ポイント下落」

 以下、毎日新聞デジタル版(2017年6月18日 17時39分(最終更新 6月18日 22時34分))より。

 毎日新聞は17、18両日、全国世論調査を実施した。安倍内閣の支持率は36%で、5月の前回調査から10ポイント下落。不支持率は44%で同9ポイント上昇した。不支持率が支持率を上回ったのは2015年10月以来。学校法人「加計(かけ)学園」の問題や、「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法への批判が影響したとみられる。

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園が国家戦略特区を利用して獣医学部を新設する計画を巡っては、早期開学が「総理のご意向」と記述された文書が見つかり、文部科学省が再調査で存在を認めた。しかし、政府は計画に首相の意向が働いたことは否定している。

 今回調査で、これまでの政府の説明に「納得していない」は74%を占めた。「納得している」は10%。内閣支持層も59%が「納得していない」と答えた。政府が獣医学部新設を認めた経緯について、国会の閉会中も衆参両院の予算委員会などで「検証すべきだ」は59%で、「検証する必要はない」の26%を上回った。
安倍内閣の支持率と不支持率の推移

 組織的な犯罪集団が犯罪を計画、準備した段階で処罰できるようにする改正組織犯罪処罰法は、一方で一般の人も捜査対象になる懸念が指摘されている。改正法に「反対」は47%、「賛成」は32%だった。

 自民、公明両党は改正法を参院法務委員会で採決しない「中間報告」という方法で参院本会議にかけ、15日に可決、成立させた。改正法が「十分に審議されていない」は69%に上り、「十分に審議された」は12%にとどまった。改正法に賛成する層でも6割弱が審議不十分と考えている。

 12年12月の第2次安倍内閣発足後、支持率が10ポイント以上、下がったのは初めて。集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法を巡って世論の賛否が分かれていた15年7月から10月にかけて、不支持率が支持率を上回っていた。

 主な政党支持率は、自民27%▽民進8%▽公明3%▽共産4%▽日本維新の会2%−−など。「支持政党はない」と答えた無党派層は47%だった。【吉永康朗】
調査の方法

 6月17、18日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号に調査員が電話をかけるRDS法で調査した。東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号は除いた。18歳以上のいる1686世帯から1052人の回答を得た。回答率は62%。