Stephen Fry in America Episode 02(Deep South)を観た

 2008年にBBCで放映されたイギリス人スティーブン・フライのアメリカ合州国周遊の旅。
 第二回目は、深南部(Deep South)である。
https://www.youtube.com/watch?v=2cn8io3kplA
 まず、南部州のヴァージニア州(Virginia)。
 Mason-Dixon roadを走り、北部と南部の境といわれるMason-Dixson Line を探す。
 南部のスタート地点といわれるウェスト・ヴァージニア(West Virginia)では、炭鉱に潜る。
 ケンタッキー州(Kentucky)は、Kentucky DerbyもあるHorse Countryである。
 サラブレッド(Thoroughbreds)のオークションの掛け声は、バンジョーのようだ(Banjo picking)。そしてバーボン(Bourbon)ウィスキー。うんちくを聞きながら試飲。ケンタッキー州には、ロンドンという町がある。ケンタッキーのロンドンの床屋で散髪。地元の少年とならんで散髪をしてもらいながら、床屋談議。地元の少年は無表情だが、終わりのほうで、首をブラシでなでられて初めて笑う場面には、何を面白がるのかというブリティッシュユーモアを感じる。ケンタッキーは、Colonel Sandersだけに限らないが、フライドチキンでも有名だ。
 ケンタッキーでもブルーグラスミュージックは、盛んだが、テネシー州(Tennessee)でも盛んだ。ブルーグラス音楽の源流はスコットランドアイルランドからの音楽の流れがある。三本指奏法のバンジョー弾きのアール・スクラッグスは有名だが、そのアール・スクラッグスも、スナッフィー・ジェンキンス(“Snuffy” Jenkins)から学んだという。テネシー州では、死体農場も訪れる。この辺もイギリス人の感覚なのだろう。
 ノース・キャロライナ州(North-Carolina)では、熱気球に乗る。
 サウス・キャロライナ(South Carolina)では、アフロ・アメリカンのガラ(Gullah)を訪れる。
 「南部の心臓」(Heart of the South)とよばれるジョージア州Georgia)では、感謝祭(Thanksgiving Day)の時期で、古いプランテーションの家に招かれ、おっかなびっくり馬に乗ったり、感謝祭のごちそうの前で歓迎を受けたことに対して、スティーブン・フライはイギリスを代表して乾杯を申し出る。「わたしの国を代表して乾杯したいと思います。1776年に、つまらぬ誤解から1776年にあなた方を失ったことを当然にも悲しいことでしたが…」。(”I’d like to raise a toast on behalf of my country. We were very sad naturally to lose you in 1776 over a trifling misunderstanding…”)と、もちろん、ユーモアをまじえて。
 そしてフロリダ州(Florida)のマイアミ(Miami)。
 マイアミは、コンクリのビルだらけの街で(horrible concrete buildings)、マイアミビーチ(Miami Beach)もスティーブン・フライのお気にめさないようだ。寒いところで暖かいウィスキーでも飲んでいるほうがよいという。
 フロリダでは、年寄の男女の社交ダンス場にもお邪魔するが、スティーブンははダンスも嫌いのようだ。ホーバークラフトのような風を切る乗り物に乗って、ようやくサザンフロリダも多少よいところがあると言っていた。
 そしてアラバマ州(Alabama)。
 モントゴメリー(Montgomery)は、バス・ボイコット(bus boycott)、マーチン・ルーサー・キング・ジュニア(MLK)、公民権運動(civil rights movement)で有名なところだが、そこはさらりと触れ、番組の最後には、州内の大学間のアマチュアスポーツにもかかわらず、アメフトの試合に熱狂する情景を多少の驚きをもって流している。アメリカらしいということなのだろう。
 次回は、ミシシッピ(Mississippi)である。