以下、朝日新聞デジタル版(2018年5月7日10時32分)から。
ベンチ入りメンバーから外れ、会長付特別補佐になったマリナーズのイチローは試合中、ベンチに入れない。発表があった3日(日本時間4日)から、ユニホームを着て、他の選手と同じように試合前の練習をこなしても、試合が始まると表には出てこない。
大谷翔平が先発登板した6日(日本時間7日)の試合でもそうだ。ベンチ裏のケージで打撃練習をしたり、テレビで試合の様子を確認したりして過ごした。大谷の印象について問われても、「テレビで見ている印象だから、日本で見ている人と変わらない印象になってしまうね」と、苦笑い交じりにこぼす。
すぐそばのマウンドで、大谷が投げている。なのに、画面を通して見るしかないもどかしさ。「直接やれれば、こんなボールだったと言えるんだろうけど、全部テレビですからね。だって、ブラジルで見ているのと同じですから」
今季、試合には出られない。ただ、現役でいる限り、大谷と対戦する機会はある。今回のエンゼルスとの3連戦で、大谷の打撃も投球も、まぶたに焼き付けた。「そりゃ対戦したいですよ。そりゃそうでしょう。したいですよ」。44歳のモチベーションが、いっそう高まった。(シアトル=山下弘展)