「縫い子」の人手を外国人技能実習生に頼る岐阜県のファッション産業が岐路に立っている。4月に始まる新しい外国人の「特定技能」の対象業界には選ばれなかった。実習生の残業代未払いといった違法行為が後を絶たず、業界みずからが、どうしていくか問われている。

 縫製業者が加入する岐阜県既製服縫製工業組合の平嶋千里理事長(64)は「ここ20年、我々の業界は技能実習制度に依存してきた」と振り返る。岐阜のファッション産業は、大手メーカーやデザイナーの商品を受注して作る下請け工場で成り立っており、近年はより安く作れる海外に生産が奪われてきた。安い加工賃しかもらえない工場では、低賃金で働く実習生がいるのが当たり前とされてきた。法務省によると、昨年6月時点で県内の実習生は1万1705人。

(後略)

室田賢、前川浩之