「米南部で乱射事件、19人死亡 ネットに「犯行声明」か」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年8月4日8時18分)から。

 米南部テキサス州エルパソの小売店ウォルマートで2日午前10時(日本時間3日午前1時)ごろ、銃の乱射事件があった。米メディアによると、19人が死亡、40人が負傷した。地元警察は、容疑者1人の身柄を拘束し、複数の米メディアは同州の白人の男(21)だと伝えた。

 現場の店はメキシコとの国境から北東に4キロで、主に店内で乱射があった。ABCテレビによると、死傷者は2~82歳。警察は使用された銃器を「ライフル銃とみられる」としている。

 複数の米メディアは、容疑者の男が事件直前に「犯行声明」をインターネット上の掲示板に投稿していた可能性があると報じた。声明はいったんは掲示板から削除された模様だが、閲覧していた多くのネット利用者が再投稿するなどして、ネット上で出回っている。

 4枚にわたる声明では、ニュージーランド(NZ)のクライストチャーチイスラム礼拝所(モスク)にいた51人が犠牲になった銃乱射事件の被告を「支持する」と表明。NZの事件でも犯行声明が出されており、模倣したとみられる。

 すさらに声明では「これはヒスパニックのテキサスへの侵略に対する反応だ」と言及。男の自宅は事件現場から900キロ以上離れており、国境にほど近く、移民の多いエルパソを狙った可能性もある。NBCテレビはこの男のほかに2人目の容疑者が拘束されたと報じているが、詳細は明らかになっていない。

 ツイッターに投稿された動画には、机の下に身を伏せて隠れる男性の姿が映る。動画内では、わずか6秒間で「パン、パン」という銃声が立て続けに計10発聞こえる。投稿者によると、ウォルマート内のマクドナルドに居合わせた客が撮影したという。

 エルパソは移民が多いことで知られ、人口68万人のうちヒスパニック系が8割を占める。

 米国では銃による事件が絶えず、事件が発生する度に規制強化を求める声があがる。この日も多くの政治家が「米国における銃暴力の終結を後押しするため、行動しなければならない」(野党・民主党の上院トップ、シューマー院内総務)などと訴えた。

 トランプ大統領ツイッターに「ひどい乱射事件だ。多くが殺された。州知事と話し、全面的な支援を約束した」と書き込んだ。(ニューヨーク=藤原学思)