「保守本流を自負 大村知事が語る不自由展・憲法・自民党」

f:id:amamu:20051228113100j:plain


以下、朝日新聞デジタル版(2019/12/24 20:00)から。

 あいちトリエンナーレの企画展「表現の不自由展・その後」。中止と再開を決めた責任者は大村秀章・愛知県知事だった。展示中止を迫る勢力に日本国憲法を掲げて正面から反論し、いま、補助金の不交付を決めた文化庁に不服を申し出ている。保守を自任している政治家の目に、日本はどう映っているのか。

おおむら・ひであき
1960年、愛知県生まれ。農林水産省に入省。96年から衆院議員(自民党)5期。2011年に愛知県知事に初当選し、現在3期目。

 ――大村さんはあいちトリエンナーレ実行委員会の会長、つまり最高責任者ですね。文化庁は9月、トリエンナーレへの補助金を不交付にすると発表しました。聞いたとき、どう感じましたか。

 「全くの想定外だったので驚きました。何が起きたのだろう、というのが正直な気持ちです」

 ――交付が内定していた補助を全額とりやめる異例の決定です。

 「求められた手続きに従って補助を申請し、文化庁の審査委員会で審査されたうえで採択が決定していました。文化庁は我々の手続きに不備があったと言っていますが、いわれのないことです。行政が守るべき公平性、公正性の面で大きな問題があり、裁量権の逸脱だと考えています」

 「全部で106あったトリエンナーレの企画のうちたった一つの企画が完全に展示できなかったことをもって全額を不交付にするという理由も、わかりません」

 ――補助金適正化法に基づいて文化庁に不服を申し出ましたね。もしこのまま不交付が既成事実になったら日本にどういう影響が残ると考えているのですか。

 「表現の内容が気にくわないから補助金を出さない、ということにつながる恐れがあります。国がいいと言ったものでなければ補助金が出ない。みんな萎縮して、この国の表現の自由は大きなダメージを受けるでしょう」

 「文化庁が是正しなければ裁判に訴えるつもりです。決定が既成事実になることはありえません。その点には自信があります」

(後略)

(聞き手 編集委員塩倉裕)