以下、朝日新聞デジタル版(2020年7月1日 21時07分)から。
香港警察は1日、抗議デモの現場で「香港独立」を主張するなどした男女9人を、前日施行された「香港国家安全維持法(国安法)」に違反した疑いで逮捕した。香港の自由を制限する国安法が成立し、当局がどう運用するかに注目が集まるなか、反体制的とみなした言動に厳しく適用していく姿勢を示した形だ。
「香港独立」の旗を所持した男性逮捕 国安法を初適用
香港デモ「操るのは米国だ!」陰謀論で見える中国の焦り
逮捕された9人は、いずれも1日に民主派が呼びかけていた抗議デモに参加したとみられる。
香港警察によると、このうち1人の男性の所持品を検査した結果、中国語と英語で「香港独立」と書かれた旗が見つかったという。もう1人の女性も「香港独立」と書かれたボードをデモ現場に展示した疑いがある。残る7人が逮捕された経緯は公表されていない。
一方、警察は「香港独立が唯一の出口だ」と叫んだデモ参加者に対し、国安法違法だとして警告を出したが、逮捕はしなかった模様だ。この日は香港独立を訴える宣伝物の所持を国安法に基づく取り締まりの対象とした可能性がある。
香港は1日、中国への返還から23年を迎えた。警察は返還記念日恒例のデモの実施を禁止したが、民主派は前日の午後11時(日本時間1日午前0時)に施行された国安法への抗議デモを強行し、1万人超の市民が集まった。香港警察は国安法違反以外にも、違法集会などの容疑で1日夜までに300人超を拘束した。(香港=益満雄一郎)
(後略)
(香港=益満雄一郎 北京=高田正幸)