以下、朝日新聞デジタル版(2020年8月5日 21時08分)から。
香港の西九竜裁判所は5日、警察本部を包囲するデモに参加し、デモ参加者を扇動した罪などに問われた民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏を有罪と認定した。量刑は12月にも言い渡される。周氏は記者会見で「収監される可能性もあるが、香港の民主化運動に参加できることは光栄だ」と語った。
周氏は昨年6月、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏らと共に「逃亡犯条例」改正案に抗議するデモに参加し、数万人とみられる市民と共に警察本部を包囲した。周氏は昨年8月に逮捕され、起訴内容を大筋で認めていた。
香港警察によると、昨年6月に大規模化した一連の抗議活動で9千人超が逮捕された。すでに多くの裁判が進められており、禁錮4年の実刑判決が確定した人もいる。
周氏は5日、同裁判所で記者会見を開き、「香港国家安全維持法(国安法)のもと、とんでもない恐怖感が今、香港にあるが、自由と民主主義のために戦い続ける」と日本語で訴えた。また、9月の立法会(議会)選挙が「新型コロナウイルスの感染対策」を理由に1年延期されたことについて、「(香港政府は)親中派が不利だから延期を決めた」と批判した。
周氏は2014年の民主化デモ「雨傘運動」で積極的に活動し、「民主の女神」と呼ばれた。日本語が堪能で、SNSを利用して香港の民主化を訴えてきたが、国安法施行後は発信を大幅に抑制している。(香港=益満雄一郎)