「決勝まで7試合 テニス大坂が七つのマスクに込める思い」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020年9月1日 18時25分)より。

 

 テニスの4大大会、全米オープンが8月31日(日本時間9月1日)、ニューヨークで開幕し、女子シングルスで2年ぶりの優勝がかかる第4シードの大坂なおみ日清食品)は1回戦で世界ランキング81位の土居美咲ミキハウス)に6―2、5―7、6―2で競り勝った。大坂は2回戦でカミラ・ジョルジ(イタリア)と対戦する。また、昨年は3回戦まで進んだ16歳のコリ・ガウフ(米)は敗退した。

 男子シングルス1回戦は、同86位の内山靖崇積水化学)が同27位のパブロ・カレノブスタ(スペイン)にフルセットの末、敗れた。第1シードのノバク・ジョコビッチセルビア)らは2回戦に勝ち上がった。

 新型コロナウイルスの影響で今大会は無観客での開催。メディアも規制され、オンラインでの取材になる。

 観客のいないセンターコート。序盤、大坂の強烈なサーブ音が響かなかった。この試合、第1サーブの成功率が51%と安定しなかった。工夫を凝らし、コースを突く土居の返球にも苦しんだ。それでも2018年の全米女王は振り切った。

 試合前、大坂は「BREONNA TAYLOR」とプリントされた黒のマスクを着けてコートに現れた。3月に自宅に入ってきた警官に銃撃されて亡くなった黒人女性のブレオナ・テイラーさんの名前。事件は米での人種差別問題の抗議活動につながっている。大坂は「テイラーさんの話を知らない人がいるかもしれない。テニスは世界中で見られている。多くの人に知ってほしい」と話した。

 大坂は「七つのマスクを持ってきた」。大会は決勝を含めて計7試合。全米の前哨戦で痛めた左太ももに不安は残るが、まずは5年連続で1回戦を突破した。(堤之剛)

 土居美咲は、全米での5年ぶりの勝利とはならなかった。出場8回目の29歳は、22歳の大坂なおみに巧みなスライスや深いショットで対抗。第2セットを奪い、セットカウント1―1に持ち込んだ。ただ、痛かったのは自身のサービスゲームだった第3セット第1ゲーム。2度のダブルフォールトなどこのゲームをキープ出来ず、流れを失った。土居は「全力は尽くした。ミスが勝敗を分けた」と話した。