「黒人犠牲者の親、大坂なおみのマスクに「心から感謝」」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020年9月10日 11時04分)から。

 

 テニスの全米オープンで準決勝に勝ち進んでいる大坂なおみ選手が、過去に犠牲になった黒人の名前を記したマスクを試合の前後に着用していることに、米国内で共感が広がっている。8日は米スポーツ専門局ESPNから犠牲者の親たちが謝意を伝える動画を見せられた大坂選手が、感激する場面も。その映像がさらにSNS上で拡散している。

 「あなたがしていることは皆にとって、とてもパワフルだ。若者たちの親からのビデオをお見せしたい」

 試合後の大坂選手のインタビューの最中、ESPNの司会者はそう言いながら、マスクに刻まれた犠牲者の親からの動画を流し始めた。

 2012年にトレイボン・マーティンさん(当時17)を失った母親は「心の底から感謝しています」、今年犠牲になったアフマド・アーベリーさん(25)の父親は「私の家族への支援をありがとう」と語った。

 大坂選手は感極まった様子で、「私はいま、人々に気づきを広げるために、メッセージを運ぶ役割を担っている気がします」と話した。この様子は、ESPNなどの動画でソーシャルメディア上に拡散。米NBCの著名ジャーナリストアンドレア・ミッチェル氏はツイッター上で、「とても感動的。あなたの行為は、多くの人々の心に響き、届いていますよ」と大坂選手にメッセージを送った。

 大坂選手はその後の記者会見の際にも、犠牲者の親からのメッセージ動画について問われ、「涙をこらえるのに必死だった」と話した。(サンフランシスコ=尾形聡彦)