以下、朝日新聞デジタル版(2020年9月13日 7時00分)から。
テニスの全米オープンで12日(日本時間13日)、2年ぶりの優勝を果たした大坂なおみ選手は、大会を通じて人種差別への抗議を続けた。米国で黒人が警察官らの行為によって命を落とす事件が相次ぐなか、犠牲者の名前が記されたマスクを7枚持参し、試合ごとに1枚ずつ、披露してきた。
12日夕、米ニューヨークの無観客の試合会場。大坂選手は、黒地に白の文字で「TAMIR RICE」と書かれたマスクを着けて登場した。
タミル・ライスさんは2014年11月、オハイオ州の公園でおもちゃの銃で遊んでいたところ、通報された、当時12歳の黒人少年だ。現場に駆けつけた警察官は、到着してすぐに発砲。ライスさんは翌日に死亡が確認されたが、警官は不起訴になった。
大坂選手が黒人の犠牲者の名が書かれたマスクを着用したのは、今大会7試合目だった。これまでは2012年にフロリダ州で自警団の白人男性に射殺され、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」の運動のきっかけとなったトレイボン・マーティンさんや、今年5月にミネソタ州で警官から首を圧迫されて死亡したジョージ・フロイドさんの名前が記されたマスクを用いてきた。
(後略)
(ニューヨーク=藤原学思)