「大坂なおみ、2回戦も別の黒人死亡者の名前入りマスク」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020年9月3日09時45分)から。

 「ELIJAH MCCLAIN」。ニューヨークで行われているテニスの4大大会、全米オープンで、2日(日本時間3日)の女子シングルス2回戦に臨んだ大坂なおみ日清食品)がこの日も、人種差別に対する抗議の意を示すため、昨年8月に警官に拘束された後に死亡したとされる黒人男性の名前が書かれたマスクを着けて、センターコートに入場した。

 大坂が着用していたのは、「エリジャ・マクレーン」と白字でプリントされた黒のマスク。米メディアなどによると、ぜんそくを患っていたというマクレーンさんは昨年8月、コロラド州オーロラでコンビニでの買い物から帰る途中にマスクを着用していて、その姿を不審に思った警官に首を締め付けられて地面に押さえつけられたという。その後、医療関係者が現場に駆けつけ、マクレーンさんに鎮痛剤を注射。マクレーンさんは数日後、病院で死亡したという。

 大坂は8月31日(同9月1日)の1回戦で、3月に自宅で寝ていたところ、押し入ってきた白人警官に撃たれ、死亡した黒人女性ブレオナ・テイラーさんの名前をプリントした黒のマスクを着用して入場した。テイラーさんの事件は、米での人種差別問題の抗議活動につながっている。大坂は「テイラーさんの話を知らない人がいるかもしれない。テニスは世界中で見られている。多くの人に知ってほしい」と話していた。

 1回戦の試合後には、大坂は「七つのマスクを持ってきた」と明かしていた。全米オープンは1回戦から決勝まで7試合が予定されている。

 この日の試合では、第4シードの大坂は世界ランキング74位のカミラ・ジョルジ(イタリア)を6―1、6―2で下し、5年連続で3回戦に進んだ。(堤之剛)