「増幅する「学者への反発」 フジ解説委員や議員ら誤情報」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020/10/9 21:22)から。

 日本学術会議が推薦した会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題で、会員OBが終身年金を受け取れるかのような誤った情報がテレビやネットで流れた。発信したのはテレビ局の解説委員や国会議員。相次いで謝罪や訂正に追い込まれている。

 「この(学術会議の)人たち、6年ここで働いたら、そのあと(日本)学士院ってところに行って、年間250万円年金もらえるんですよ、死ぬまで。皆さんの税金から、だいたい。そういうルールになってる」

 5日昼に放送されたフジテレビの情報番組「バイキングMORE」。学術会議の制度上の位置づけについて、同局の平井文夫上席解説委員がそう話すと、MCの坂上忍さんら出演者からは「えーっ」という声があがった。他の出演者が口を開けて驚く表情も画面に映された。

 だが、学術会議の会員がすべて日本学士院の会員になれるというのは誤りだ。文部科学省によると、学士院会員130人のうち、学術会議出身者は三十数人にとどまる。学士院の担当者は「会員は厳正に選考されており、学術会議出身かどうかは無関係。出身でない会員もいる」と話す。

 そもそも学士院の会員は終身制のため、会員が死亡しないと補充されない。しかも院内の分科会と部会でいずれも3分の2以上の同意が必要な「狭き門」だ。ノーベル賞受賞者や、野口英世新渡戸稲造が名を連ね、いわば「学者の殿堂」でもある。

 ネット上では平井氏の発言の間違いを指摘する声が相次いだ。「バイキング」のツイッターアカウントにも「番組内で訂正すべきでは」などとコメントが殺到した。

(後略)

(大野択生、宮田裕介 赤田康和、杉浦幹治)