以下、朝日新聞デジタル版(2020/11/29 21:41)から。
「桜を見る会」夕食会をめぐる費用負担
安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日に開いた夕食会の費用を、安倍氏側が補塡(ほてん)していたことが明らかになった。安倍氏が1年前から「ない」と断言し続けた費用はどこから生まれ、安倍氏はいつどのような事実確認をしていたのか。地元の支援者からも説明を求める声が上がる。共謀認定は困難
「政治資金収支報告書に記載するべきだった」。安倍氏の公設第1秘書らは、東京地検特捜部の任意の調べにそう説明し、違法性の認識を認めたとされる。2013年から計7回開かれた夕食会のうち、時効にかからない15年以降の5回で安倍氏側が負担したのは計約916万円だったとされる。開催費用総額の約4割を占めるこの金額を、誰がどこから支払っていたのかが捜査の焦点だ。
夕食会の主催は、公設第1秘書が代表を務める「安倍晋三後援会」だった。一方、計約916万円の支払いを受けたホテル側が発行した領収書の宛名は、後援会とは別の政治団体で安倍氏が代表の「晋和会」だ。検察幹部は「領収書に名前があっても、お金の出どころは違うということもある」と指摘する。特捜部は、どの政治団体の収支報告書に記載するべきだったかの特定を進めている。
その特定には、計約916万円がどこから捻出されたのかという原資の解明も必要になりそうだ。過去の収支報告書は各年ごとに公表されているが、夕食会にかかわる収支はどこにも記載がない。新たな支出を加えるには、その分の原資が必要になる。実際にあった収入が隠されていたり、別の支出として処理されたりしていれば新たな問題になる可能性もある。
立件される場合、誰が刑事責任を問われるのか。
(後略)