以下、朝日新聞デジタル版(2020/12/4 22:08)から。
菅義偉首相が4日午後6時から、臨時国会の事実上の閉会を受け、記者会見をしました。首相の会見は、外遊時を除いて就任時以来2カ月半ぶり。自ら推進してきた「Go To トラベル」や、安倍晋三前首相側の「桜を見る会」夕食会問題などをめぐり、どう説明したのか。タイムラインで詳報します。
「長官時代と答弁まるで変わらない首相、やりきれない」
ちょうど1年前、菅義偉官房長官の番記者として、長官会見では桜を見る会について連日質問をした。安倍晋三首相(当時)の後援会が開いた夕食会についても「ホテル側に明細書の再発行を求め、公表してはどうか」「本当に収支報告書への記載義務はないのか」などと質問を重ねてみたが、「総理が国会で答弁している。それ以上でも以下でもない」と突っぱねられ、問題ないとの認識を繰り返されるばかりだった。
夕食会について、初の本格会見で菅首相はどう説明するのか。そこに注目していたが、菅首相は「安倍前総理が国会答弁をされ、必要があれば私自身が前総理に確認をしながら答弁を行ってきた。そういうことだ」と語るのみ。官房長官時代とまるで代わり映えしない内容だった。
11月の参院予算委員会で自らの発言の責任について問われた際、「事実がもし違った場合には当然、私にも答弁した責任がある。そこは対応する」と語っていた菅首相だが、本気でそう思っているのであれば、もっと違う言葉が出てきそうな気がする。
生中継もされる首相官邸の会見場は独特の雰囲気があり、手を上げるのはなかなか勇気がいる。官房長官だった菅氏から、顔をゆがめるようにして露骨に嫌そうな表情をされればなおさらだ。毎日のように桜を見る会をめぐる質問を連発し、「いつまで同じようなことばかり聞くんだ」と周囲から苦言を受けたこともあった。
安倍氏の後援会が夕食会の費用を補塡(ほてん)していたことが明らかになったいま、菅長官とのあのやりとりは一体何だったのだろうとやりきれない思いだ。(安倍龍太郎)
(後略)
(安倍龍太郎)