「夫婦別姓の表現、自民が変更 反対派の抵抗受け大幅後退」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020/12/15 20:16)から。

 自民党は15日、政府の第5次男女共同参画基本計画案の改定案を了承した。焦点となった選択的夫婦別姓に関する表現は、原案の「対応を進める」から「更なる検討を進める」に変更。反対派の抵抗で大幅な後退を迫られた。月内に閣議決定する見通しだ。

 この日の党会合では、反対派議員らが示した案をもとに変更が加えられた文案が示された。内閣府が4日に示した政府原案では「婚姻前の氏を使用することができる具体的な制度のあり方」について、政府が「必要な対応を進める」としていたが、「更なる検討を進める」になった。現行の第4次基本計画に近い書きぶりにとどまる方向となった。

 第4次に入っていた「選択的夫婦別氏制度の導入」の文言も削られ、「夫婦の氏に関する具体的な制度のあり方」というあいまいな文言を採用。「戸籍制度と一体となった夫婦同氏制度の歴史を踏まえ」という記述も加わった。

 さらに、第5次を策定するにあたって意見募集で寄せられた「実家の姓が絶えることを心配して結婚に踏み切れず少子化の一因となっている」などの意見や、「国際社会において、夫婦で同じ氏を法律で義務付けている国は、日本以外に見当たらない」との記述は、反対派の指摘を受けて削除された。全体に、反対派に配慮したような変更が目立つ決着となった。

推進派に立ちはだかった「保守系」議員
 伝統的家族観を重視する層を支持者に抱えていた安倍晋三前首相は、選択的夫婦別姓制度の導入に慎重な立場で、7年8カ月続いた前政権下では、党内の具体的な議論は「封印」された状態だった。

 (後略)