リアルタイムでは見ていないが、再放送スペシャルで見た「逃げ恥」がなかなか面白い。主役の星野源・新垣結衣さんが健闘している。社会批評が土台にあるラブコメ、エンターテイメントになっている。
以下、朝日新聞デジタル版(2020/12/29 12:00)から。
日本中が「恋」のゆくえを見守った2人が、4年ぶりに帰ってくる。TBS系ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の新作が、「ガンバレ人類!新春スペシャル!!」と題して1月2日夜9時から放送される。主人公・森山みくり役の新垣結衣(32)と津崎平匡(ひらまさ)役の星野源(39)に、「逃げ恥」への思いを聞いた。
作品の根底に「社会の生きにくさ」
家庭の「共同経営者」として共働きで暮らす主人公の森山みくり(新垣)と津崎平匡(ひらまさ)(星野)は今回、初めての出産と育児に奮闘する。新垣はそんな2人の姿を演じる中で、「実際に世の中でそういった生活をしている人たちは本当に難しい思いをしているんだろうなとか、でもやっぱり救われるところもあってほしいなとか、色んなことを感じました」と語る。「逃げ恥」の根底に流れているのは「今の社会の生きにくさ」だと星野は考える。「今回、それを2人で必死に乗り越えようとする姿を演じながら、今は生きていくのが本当に大変だけど、その中で『こう変わっていったら良いよね』とか、『これは大事にしていこう』みたいな、そういうメッセージをすごく感じましたし、見てくれている人にそれを感じていただけたらうれしいなと思います」
2016年10月期に放送された「逃げ恥」は、派遣切りにあったみくりが恋愛経験の無い独身の平匡に雇われて家庭に入る「契約結婚」と、そこから始まる2人のぎこちない恋愛模様を描いた。ラブコメディーの中に世相を反映させ、同性愛や年の差恋愛などの多様な愛の形を提示して大きな反響を呼んだ。星野が手がけた主題歌「恋」にあわせて出演者たちが踊った「恋ダンス」は、無数の「踊ってみた」動画がネット上に投稿されるなど、社会現象となった。
「逃げ恥」について新垣は「色んなパズルのピースがカチッとはまったような感じがする作品です。作る側としてもすごく楽しんでいたし、多くの方々に楽しんでもらえたのがうれしかったです」。星野は「『逃げ恥』があったことで色んな人に認知してもらえて、色んなことができるようになったので、今の自分があるきっかけという感覚がすごくあります」。
(後略)
(構成・川村貴大)