以下、朝日新聞デジタル版(2021/3/4 22:15)から。
総務省が放送関連会社からの接待で幹部11人を一斉処分してから約1週間。今度は通信分野に飛び火し、NTT側からの谷脇康彦・総務審議官ら中枢幹部への接待疑惑が浮上した。同省が許認可権を持つ所管業界と「なれ合い」に陥っているのは歴然で、野党は政権への責任追及を強める構えだ。
「通信事業者と会食することは他にもあった。その部分も含め、(国家公務員倫理規程に)抵触があったかなかったか(総務省で)改めて精査している」
NTT側との会食を認めた谷脇康彦・総務審議官は、4日の参院予算委でそう述べた。前日まで「(規程に)違反する会食をしたことは(他には)ない」としていた主張を一気に転換させた形だが、野党からは「虚偽答弁だ」との批判が上がった。
菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」の接待では「相手が利害関係者と思わなかった」と釈明した谷脇氏。今回は相手がNTT社長だっただけに、「提示された金額を負担した」ことで規程に反しないと思った、との理屈を持ち出した。「1人1万円以下の割り勘の会食」と考え、事前に届ける必要もなかった、との主張だとみられる。
ただ、取材によると、谷脇氏らが会食した店はNTT関連会社が営む高級会員制レストランで、コース料理は1人1万円超えが多い。4日発売の週刊文春は谷脇氏ら幹部が5千~1万円を「会費」として払ったとしつつ、高級なワインや日本酒が振る舞われ、飲食費は3人分で計27万円に及ぶと指摘。一部の会食ではシャンパン「ドン・ペリニヨン」を開けたと報じている。
「ドンペリが出てきて1万円で済むと思いますか」
(後略)
(井上亮、藤田知也 山下龍一、南彰)