「宮城の地震、けが8人 続く東日本大震災の影響」

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以下、朝日新聞デジタル版(2021/3/21 17:37)から。

 宮城県で最大震度5強を観測した20日地震で、宮城、岩手、福島の3県で21日までに8人のけが人が確認された。いずれも軽傷だった。福島、宮城両県で2月に震度6強を観測した地震に続き、2011年の東日本大震災の余震と考えられ、専門家は「今が一番注意が必要」と警戒を呼びかけている。

 宮城県によると、美里町の90代女性が地震で外れた扉が頭にあたり軽傷。仙台市で4人、気仙沼市で1人がねんざなどのけがをした。盛岡市では40代女性が転倒して口の中が切れるなどした。福島県伊達市の女性(77)が転倒し、腰を痛めるけがを負った。

 宮城県塩釜市芦畔(あしぐろ)町では崖崩れが起き、長さ約6メートルにわたり市道がふさがれたが、けが人や建物の被害はなかった。福島県南相馬市では大雨が予想されるとして21日、4カ所で住民にブルーシートを配った。

 東北電力によると、女川原発宮城県石巻市、女川町)3号機の使用済み燃料プール内に、点検用足場の部品が落下したが、東北電は「安全性に問題はない」と説明している。

 地震による交通の乱れは解消された。

 JR東日本によると、東北、秋田、山形各新幹線の運転見合わせは20日夜までに解消された。ただ、山形新幹線は21日午前に運行予定だった一部が運休した。

 東日本高速道路によると、東北地方の複数の区間であった高速道路の通行止めも、21日未明までに解除された。

 今回は震源が約60キロと深く、陸に近い場所で起きた。遠田晋次東北大教授(地震地質学)は「東日本大震災のときにあまり大きくずれていない、深い部分が動いた。震災の影響が続いているのに加え、先月から大きい地震が立て続けに起きた。今が一番注意が必要」と警戒を促す。

 遠田教授によると、一帯は10年経ってもまだ東日本大震災前より地震が多い状態が続いている。東日本大震災で大きくずれ動いたプレート境界の浅い部分は静かになってきているが、そのまわりの陸に近い海域の深いところや、沈み込む前のプレートでの地震などがまだ活発だという。

 東京大地震研究所の古村孝志教授(地震学)は「今回の地震はプレート境界を震源とする逆断層型とみられ、周期的に起きる『宮城県沖地震』の震源の一部が壊れた可能性もある。この地域はもともと地震が多い場所でもあり、注意が必要だ」と話した。