「読めぬ河井事件のダメージ 参院広島、自民選挙戦に異変」

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以下、朝日新聞デジタル版(2021/3/22 22:00)から。

 河井案里氏(47)の当選無効に伴う参院広島選挙区の再選挙(4月8日告示、25日投開票)を控え、自民党の選挙戦に異変が起きている。案里氏や夫で元法相の克行被告(58)による公職選挙法違反事件で、現金を受け取ったとされる地元議員への風当たりが強まっているからだ。県連は新顔を擁立してクリーンさをアピールするが、先行きは見通せない。

空気を察して? 選対会議を欠席
 「信頼回復できるのか、河井事件に押しつぶされてしまうのか。今回はその試金石だ」。2月末、広島市内のホテルで開かれた自民広島県連の選挙対策会議で、岸田文雄・前政調会長広島1区)は、地元選出の国会議員や県議ら約70人を前に声を上げた。

 事件をめぐり、河井夫妻は自民党を離党。「政治とカネ」による不信感の広がりに神経をとがらせる県連は、新顔で元経済産業省課長補佐の西田(にした)英範氏(39)を擁立し、刷新感を打ち出そうと躍起だ。空気を察してか、県連に所属する県議と広島市議のうち、事件で現金を受け取ったとされる24人中18人は会議を欠席した。

 「パチンコ代に」「背広や財布を買った」。東京地裁で続く克行議員の公判に出廷した県議や市議らの中には、現金の使途についてこんな証言をする者も。その様子をメディアも連日のように報道。市民団体は現金の配布先とされる議員や後援会関係者ら100人を公選法違反(被買収)容疑で告発し、東京地検が受理している。逆風がやむ気配はない。

「表に出れば候補の顔に泥を塗りかねない」
 広島は、衆院7選挙区のうち六つを自民が占める。「保守王国」を支えてきたのは、地方議員らが動く組織的な選挙運動だ。

 (後略)

(松島研人、東郷隆)