以下、朝日新聞デジタル版(2021/5/28 21:30)から、
米サンノゼ市の公共交通局の車両基地で26日朝に起きた銃撃事件で、地元警察は27日、従業員らを襲ったとみられるのは同局に勤めるサミュエル・カシディ容疑者(57)だったと明らかにした。27日夜にはサンノゼ市内で追悼集会が開かれ、同僚や市民らが犠牲者を悼んだ。
警察によると、事件で犠牲になったのは、公共交通局「バレー・トランスポーテーション・オーソリティー(VTA)」の29歳から63歳までの9人の従業員。現場で8人が死亡し、搬送先の病院でさらに1人が亡くなった。現場からは、犯行に用いられたとみられる半自動式の拳銃3丁が見つかった。長年職場に強い不満を抱えていたとされるカシディ容疑者は、警官が現場に駆けつけるとすぐに自殺したという。警察が詳しい動機を調べている。
米メディアによると、カシディ容疑者は従業員を選んで撃っていたという。
27日夜は、サンノゼ市内で追悼式が開かれ、数百人の人々が集まった。追悼式に参加していたVTA従業員のジョブ・デビッド・モラレスさん(57)は「親友だった同僚が犠牲になってしまった。こんなことが身近で起こるとは想像すらしておらず、本当に信じられない」と肩を落とした。追悼式では犠牲者9人の写真が飾られ、人々が次々に献花していた。
米国では銃撃事件が相次いでいる。3月にはジョージア州で8人、コロラド州で10人が死亡し、4月にインディアナ州で8人が死亡した。米メディアによると、今年に入り、4人以上の多数の犠牲者が出た銃撃事件は、今回のサンノゼの事件で15件目という。(サンノゼ=尾形聡彦)