「変異株、減少鈍い東京の感染者 再延長でも再拡大の懸念」

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以下、朝日新聞デジタル版(2021/5/27 18:00)から。

 3度目の緊急事態宣言が出て1カ月が過ぎてもなお、東京都内で新型コロナウイルスの感染者数が思うように減っていない。31日が期限の宣言は再延長される見通しだが、宣言直後に急減した人の流れは再び増加に転じ、感染力の強い変異株もさらに広がりを見せる。過去の宣言下と比べても減少ペースは鈍化しており、都はリバウンド(感染再拡大)への警戒を強めている。

 27日午後に都が開いたモニタリング会議。小池百合子知事は外出自粛や感染防止策を都民に呼びかけた後、一拍置いて語気を強めた。「改めての徹底をお願いします」

 東京都に3度目の緊急事態宣言が出たのは4月25日。1カ月後にあたる5月25日時点での新規感染者数(1週間平均)は611・0人だが、今回の宣言下では最も多かった13日時点で933・9人からは減少傾向にある。

 だが、その減少幅は過去の宣言と比べても鈍い。1月8日に始まった2度目の宣言では、ピーク時の1861・1人(1月11日)から、宣言1カ月後の2月8日時点では555・3人にまで減少した。

 感染者数が大きく減らない要因の一つが、感染力の強い変異株の存在だ。27日のモニタリング会議では、16日までの1週間に確認された感染者のうち、8割超が「N501Y」の変異をもつ英国型の変異株に感染していることが報告された。

 そしていま、都内では次の脅威が迫りつつある。インド型の「L452R」の変異をもつ新たな変異株だ。

 英国政府の専門家組織は、「N501Y」よりも「L452R」の方が50%以上感染力が強い可能性があると指摘している。都内ですでに14例の感染が報告され、うち5例が、南アジアの渡航歴のある人の濃厚接触者だったという。東京感染症対策センター専門家ボードの賀来満夫座長もモニタリング会議後、記者団に「『N501Y』をしのぐような勢いで、『L452R』が広がっていく可能性もある」との見解を示した。

 (後略)

(軽部理人、釆沢嘉高)