以下、朝日新聞デジタル版(2021/6/23 6:00)から。
5歳で沖縄戦を体験し、平和ガイドになって20年になる照屋盛行(せいこう)さん(81)=沖縄県沖縄市=が、衝撃を受けたデータがある。
小中学校の新人教員100人に対するアンケートで、沖縄戦で兵士や住民が身を隠した本島南部のガマ(自然洞窟)に入ったことが「ない」が7割。「小中学生の頃、学校行事として南部戦跡のフィールドワークに参加したことはあるか」も「ない」7割超――。
【連載】「終わりなき沖縄戦」(全4回)
沖縄は6月23日、戦後76年の慰霊の日を迎えました。20万人余りが亡くなった地上戦で、いったい何があったのか。いまも終わっていない、といわれるのはなぜなのか。現地からの報告の最終回です。
沖縄市平和ガイドネットワークが2013~16年に県内で実施したものだ。本島南部は最大の激戦地で、修学旅行生や観光客も戦跡の見学に訪れる場所だ。「沖縄でさえ、ここまでか」。照屋さんは以来、各教育委員会や学校に対し、全教員への平和教育を始めるよう訴えてきた。
初めて実現したのは19年8月。中城村の公立幼稚園と小中学校のほぼすべての教員約120人を、1日かけて南部戦跡に案内した。
(後略)
(福井万穂)