【karaoke】The Beatles の "Ticket to Ride" (1965)

 「涙の乗車券」と適確に訳されたビートルズのヒット曲 ”Ticket to Ride”。

Ticket to Ride (1965)

 言うまでもないことだが、The Beatles の各メンバーは労働者階級出身で、ユーモアも中身も思想もある、ライブバンドからレコーディングバンドへと成長いちじるしかった革新的で創造的なバンド。自分が子どもの頃、ラジオではお馴染みだったから、レコードを買う必要もなかった。それほど毎日かかっていた。

 「涙の乗車券」は、ジョン・レノンの唄声にポール・マッカートニーがハーモニーをつけている1965年のヒット曲。

 今回、カラオケで歌ってみて、"do right by me"のフレーズを自分で歌ってみて、本記事を書く気になった。

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 以下、拙訳。

オイラ きっと落ち込むだろうな

たぶん 今日だろうな

オイラが惚れたあの子が行っちまうんだ

オイラにしたら涙の 乗車券を手にしてね

涙の乗車券を手にして行っちまう

涙の乗車券を手にして行っちまう

でも 彼女のほうはへっちゃらなんだよ

 

彼女、オイラと暮らしてると

気が滅入るって言ってた 

ひどくない

てのは オイラがいると

好きにできないって

オイラにしたら涙の  乗車券を手にしてね

涙の乗車券を手にして行っちまう

涙の乗車券を手にして行っちまう

でも 彼女のほうはへっちゃらんなんだ

 

なんで 彼女が乗りに乗って生き生きしてるのかわからない

彼女こそ よく考えて考え直すべきだ

彼女こそ オイラに向き合ってオイラをまっとうに扱うべきなんだ

サヨナラを言い終えるまえに

彼女こそ よく考えて考え直すべきだ

彼女こそ オイラに向き合ってオイラをまっとうに扱うべきなんだ

 

オイラ きっと落ち込むだろうな

たぶん 今日だろうな

オイラが惚れたあの子が行っちまうんだ

オイラにしたら涙の 乗車券を手にしてね

涙の乗車券を手にして行っちまう

涙の乗車券を手にして行っちまう

でも 彼女のほうはへっちゃらんなんだ

なんで彼女が乗りに乗って生き生きしてるのかわからない

彼女こそ よく考えて考え直すべきだ

彼女こそ オイラに向き合ってオイラをまっとうに扱うべきなんだ

サヨナラを言い終えるまえに

彼女こそ よく考えて考え直すべきだ

彼女こそ オイラに向き合ってオイラをまっとうに扱うべきなんだ

 

彼女、オイラと暮らしてると

気が滅入るって言ってた 

ひどくない

てのは オイラがいると

好きにできないって

オイラにしたら涙の 乗車券を手にしてね

涙の乗車券を手にして行っちゃう

涙の乗車券を手にして行っちゃう

でも 彼女のほうはへっちゃらんなんだよ


あん子は へのかっぱ

あん子は へのかっぱ

あん子は へのかっぱ

 

 I think I'm gonna be sad(オイラきっと落ち込むだろうな)の gonna は もちろんgoing to。

 drive me mad は、drive me crazy。"the girl that's driving me mad"は、「オイラをくるわせた女の子」という意。

 "She's got a ticke to ride" は、「彼女は乗車券を手に入れた」という意味だけなのだが、タイトルの「涙の乗車券」の名訳に敬意を表して、言葉をくわえて意訳しておいた。

 "but she don't care" は、俺は落ち込んでるのに、「でも、彼女は気にしてない」といういわば「落ち」というべきもので、"she don't care" はより文法的に品よく言うならば、"she doesn't care."というべきところ。「へのかっぱ」はすでに死語かもしれないが、「あん子は、へのかっぱ」くらいに訳してよいのかもしれない。

 "I don't know why she's riding so high" は、getting high ということ。電車ということもあって、ridingを使ったのだろう。高揚感を言っているわけだが、「乗りに乗って」を入れ込んで訳してみた。

 "She oughta think twice"の "think twice" は、Bob Dylan の"Don't think twice, it's all right"の歌詞にあるように、「二度考える」「考え直す」「よく考える」ということ。oughta は ought to。

 "She oughta do right by me" の "do right by someone" は、今回実際に歌ってみて、最も驚いた一行で、"do someone right"ということ。よく使われる "do me right"、"treat me right" は頻度数が高く、もちろんこれまで何度も聞いたことがあったが、"do right by me"は、聞いたことがなかった。頻度数はかなり少ないと思うが、辞書で調べてみると、"do right by someone" はエントリーとして辞書に載っている。長年英語を学んできたけれど、不覚にも "do right by me" は知らなかった。

 "think twice"も"do right by me"も、いずれもきわめて簡潔で簡易な英語なのだが、そのニュアンスを日本語で言うとなるとむずかしい。今回、拙訳が長くなってしまったのはそのためだ。ジョンが一番早口で歌っていると言うのに。もっとよい日本語を思いついて改訂したいところ。

 "She said that living with me is bring her down" も "She would never be free when I was around" も、こんなひどいことを彼女に言われたら、まったく立つ瀬がありませんね。だからその直後に歌われる "yeah"を「ひどくない」と意訳しておいた。

 "Before she gets through saying goodbye"の "through"は、「終わり」「終わる」というニュアンスがあり、「さよならと言い終えるまえに」ということになる。

 最後に、韻を踏んでいるペアを紹介しておこう。

 ということで、「涙の乗車券」、楽しんでください。

today / away

sad / mad

me / free

high / goodbye