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【2024東京都知事選】おいちゃん(森川信)の「効いたねぇ」と室戸半兵衛(仲代達矢)の「これまでですな」

おいちゃん(森川信)と寅さん(渥美清)の”喧嘩”は「男はつらいよ」(山田洋次監督)の見どころの一つである。 「男はつらいよ 第6作 純情編」(1971年)でも、夕子さん(若尾文子)の入浴をきっかけに可笑しな言い争い*1が始まり、「いいかげんにおしよ!…

「これまでですな」(室戸半兵衛)<「椿三十郎」> 確かな人格をもち、深い洞察力と知恵をもって、今年こそ良い年にしたいものです

黒澤明の映画「椿三十郎」(一九六二年)*1。 不利な立場に置かれても不正を憤りお家騒動解決のためには命をも投げだす義のある九名の若い侍たち。けれども悪を成敗するための肝心の知恵と腕っぷしは十分ではない。そこに知恵も刀も強い椿三十郎(三船敏郎)が…

【karaoke】The Beatles の "Ticket to Ride" (1965)

「涙の乗車券」と適確に訳されたビートルズのヒット曲 ”Ticket to Ride”。 言うまでもないことだが、The Beatles の各メンバーは労働者階級出身で、ユーモアも中身も思想もある、ライブバンドからレコーディングバンドへと成長いちじるしかった革新的で創造…

【karaoke】Dionne Warwick の "Walk On By" (1964)

戦時も経験した両親と違って、戦後、どっとアメリカ文化が日本に押し寄せてきてからというもの、自分が子どもの頃、アメリカ文化のテレビドラマやポップスが溢れていた。反発を感じていた子どももいたけれど、私のように、合州国の音楽を好んだ子どももいた…

Creedence Clearwater Revival の "Fortunate Son"(1969)

今年は「新しい戦前」になるかもしれないというタモリさんのコトバが脳裏からはなれない。 新春にあたり世界の平和を願わずにはいられない。 Creedence Clearwater Revival(CCR)は1967年から1972年にかけての4年余りの活動の中で"Proud Mary"(1968) "や、"Ba…

Peter Barakan's Music Festival で「ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン」を観た

Peter Barakan's Music Film Festival で「ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン」を観た。 今回個人的に観たかった一本! 好き嫌いをこえて60年代アメリカ文化史上絶対に観るべき作品。とてつもなく面白い! Mr Dynamite: The Rise o…

高校生のとき追いかけていた70年代ウェストコーストロック ー映画「ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック」・「エコーインザキャニオン」を観てー

アメリカ合州国はカリフォルニア西海岸、いわゆるウェストコーストロック*1のドキュメンタリー映画である「ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック」と「エコーインザキャニオン」*2を観てきた。70年代初頭、高校生の時期にウェストコーストロッ…

「リマスター:サム・クック」(“The Two Killings of Sam Cooke”)を観た

youtu.be NetflixでSam Cookeの「リマスター:サム・クック」(“The Two Killings of Sam Cooke”)を観た。2019年、1時間14分の作品。 公民権運動の代表歌のひとつとなった“A Change is Gonna Come”(1964)で有名なサム・クックは1931年ミシシッピ生まれ。…

“The Beatles Get Back The Rooftop Concert”を劇場で観てきた

“The Beatles Get Back The Rooftop Concert”を劇場で観てきた。 ビートルズ解散(1970年)前年の1969年1月30日、ロンドンのアップル社の屋上でのパフォーマンスを中心に64分間にまとめたドキュメンタリー映画。ロンドン市内の屋上でのライブに対して当惑す…

Sly and the Family Stone の "I Want to Take You Higher" (1969)

以下、ドキュメンタリー映画「サマーオブソウル」の公式予告編。 www.youtube.com 現在、公開されている1969年のニューヨークのハーレム文化祭をもとにしたドキュメンタリー映画「サマーオブソウル」。 当時のそのニューヨークのハーレム文化祭で " I Want t…

Sly and the Family Stone の "Everyday People" (1968)

以下、ドキュメンタリー映画「サマーオブソウル」の公式予告編。 www.youtube.com 現在、公開されている1969年のニューヨークのハーレム文化祭をもとにしたドキュメンタリー映画「サマーオブソウル」。 当時のそのニューヨークのハーレム文化祭で "Everyday …

Sly and the Family Stone の "Sing a Simple Song" (1968)

以下、ドキュメンタリー映画「サマーオブソウル」の公式予告編。 www.youtube.com 現在、公開されている1969年のニューヨークのハーレム文化祭をもとにしたドキュメンタリー映画「サマーオブソウル」。 当時のそのニューヨークのハーレム文化祭で "Sing a Si…

映画"Summer of Soul (...Or, When the Revolution Could Not Be Televised"を観てきた

コロナ禍ではあるが、「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」("Summer of Soul (...Or, When the Revolution Could Not Be Televised)")を映画館で観てきた。 Summer of Soul 1969年夏。ニューヨークはハーレムにあるモリス…

'Once Were Brothers Robbie Robertson And The Band'(DVD)を購入した

Once Were Brothers Robbie Robertson And The Band 'Once Were Brothers Robbie Robertson And The Band'(DVD)を購入した。 劇場で観た本作を今回自宅で再度観たけれど、やはり涙なしに観ることはできない。 出自。両親。土地柄。文化性。そして、いろいろ…

小津安二郎監督の「秋日和」(1960年)をはじめて観た

秋日和 原節子が初めて娘役ではなく母役(美和秋子)として登場する小津安二郎監督の「秋日和」(1960年)をはじめて観た。 社会的地位の高そうな間宮宗一(佐分利信)・田口秀三(中村伸郎)・平山精一郎(北竜二)の男三人のいい加減さと、そこに乱入する寿…

小津安二郎監督の「秋刀魚の味」(1962年)を観た

秋刀魚の味 小津安二郎の「秋刀魚の味」*1を観た。 1962年の「秋刀魚の味」が小津監督の遺作のようだ。 かなり前に多分何度か観たことがあるのだが、印象が薄い。若い時分だったので、地味過ぎる小津の映画をきちんと評価できなかったのだと思う。 娘を嫁に…

本多勝一「アメリカ合州国」で紹介された「黒は美しい」(1970)

アメリカ合州国 以下、1970年に出版された本多勝一著「アメリカ合州国」(朝日新聞社)のp.181~p.186「黒は美しい」から。 ひとつの民族が、抑圧され、差別され、植民地化され、ドレイ化されてゆく過程の中で、恐らく最後を飾るのは、美意識の奴隷化に象徴…

The Beatles の "Blackbird"(1968)

The Beatles White Album The BeatlesのBlackbird。1968年にリリースされたいわゆるホワイトアルバム中の一曲。 歌詞は、たとえば、以下のサイトを参照。 The Beatles - Blackbird Lyrics | AZLyrics.com たまたまYouTubeを見ていたら、The Beatlesの'Blackb…

”The Night They Drove Old Dixie Down"(1969)の今日的評価

The Band(1969) 映画"Once Were Brothers"を2度観て感動したことから、Robbie RobertsonがLevon Helmのために書き下ろしたと思われる"The Night They Drove Old Dixie Down"(1969)について書き始めた。いろいろと調べてみると、詳細に調べないと簡単に書くこ…

The Band の ”The Night They Drove Old Dixie Down”(1969)

Once Were Brothers Robbie RobertsonとThe Bandの映画 "Once Were Brothers"は昨年12月に劇場で観て、すでに記事も書いたが、"Once Were Brothers"を観ませんかとお誘いがあったので、そのお誘いを受けてミニシアターに出かけた。 二度目であったが、映画"O…

'Hank Aaron, Home Run King Who Defied Racism, Dies at 86'

元MLB選手のハンク・アーロン選手が86歳で亡くなった。 MLB現役時代にハンク・アーロン選手がドイツ系アメリカ人のベーブ・ルースのホームラン記録を塗り替えようとしていたとき、ハンク・アーロン選手が直面していた問題は、野球人としての調整や技術の問題…

'Once Were Brothers Robbie Robertson And The Band'を観てきた

DVD Once Were Brothers 個人的な話になるが、いわゆる断捨離中でこれまで集めたもろもろの音源を現在少なくしているところで、いまはレコードを処分しているところだ。 Neil YoungとRandy Newmanは確実に一番最後で、Bob DylanとThe Bandがそれに続く。これ…

Aretha Franklin の "Respect"(1967)

I Never Loved A Man The Way I Love You Aretha Franklin の ”I Never Loved a Man the Way I Love You” (1967)というアルバムの一曲目を飾る名曲 "Respect"。 "Respect"の作者はオーティス・レディング(Otis Redding)で、レディングのオリジナルなのだが…

「コルトレーン幻の音源、発売へ ジャズサックス、自作の2曲も」

モダンジャズをよく聴いていたときがあった。 何がきっかけだったか。 サンフランシスコに半年滞在したことが拍車をかけたことは間違いない。 ジャズの面白さに触れたひとつはJohn Coltraneの"My Favorite Things"だったかもしれない。 The Rolling Stone Ja…

美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」

白呪 美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」という番組を見た。 子どもの頃、たしかリアルタイムで「ヨイトマケの唄」を聞いたと思う。丸山明宏という名で歌われていた。 気持ちが揺さぶられる唄だった。 それでもその頃は自分の小遣いでレコードなど買えなかっ…

「上を向いて歌おう 昭和歌謡の自分史」(永六輔 聞き手=矢崎泰久)を読んだ

「上を向いて歌おう 昭和歌謡の自分史」を読んだ。 作詞家の永六輔による昭和歌謡の名曲の数々を話し合う。聞き手は矢崎泰久氏。 水原弘の「黒い花びら」(1959年)、「黄昏のビギン」(1959年)。 坂本スミ子の「夢であいましょう」(1961年)。 坂本九の「上…

Sam Cooke の "A Change Is Gonna Come"(1964)

サム・クック(Sam Cooke)の代表曲といえば、50年代にヒットした"You Send Me"*1。 さらに重要な唄は、なんといっても、"A Change Is Gonna Come"だ。 Peter Guralnick(ピーター・グラルニック)によれば、Sam Cookeの"A Change Is Gonna Come"は、3つの出来…

「好きな赤塚不二夫の連載漫画」

「今年は「ギャグ漫画の王様」と言われた赤塚不二夫さんの生誕80周年」だそうだ。 朝日新聞のこの記事のランキングによると1位から3位までは以下のとおり。 天才バカボン(1967年、少年マガジンで連載開始) おそ松くん(1962年、少年サンデーで始まった初の…

ピーター・バラカン氏の「ラジオのこちら側で」を読んだ

ピーター・バラカン(Peter Barakan)氏の「ラジオのこちら側で (岩波新書)」を読んだ。 男の子の習性なのか、イギリスから日本に来るときにレコードの愛聴盤を持ってくるなど、俺と同じ発想と行動で、苦笑した。 収集癖など、男の子には共通性がある気がする…

映画「ヘルプ」を観た

映画「ヘルプ」といえば、私の世代であれば、ビートルズの映画かと思ってしまうだろうが、今回観た映画の原題は、”The Help”。多分「お手伝い」くらいの意味になるのだろう。 2011年製作の映画”The Help”は、アメリカ合州国の、1960年代の、Jackson, Mississ…