Peter Barakan's Music Festival で「ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン」を観た

 Peter Barakan's Music Film Festival で「ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン」を観た。

 今回個人的に観たかった一本!

 好き嫌いをこえて60年代アメリカ文化史上絶対に観るべき作品。とてつもなく面白い!

Mr Dynamite: The Rise of James Brown

 アポロ劇場でのJBのライブはすでに伝説だが(最近は YouTubeで見れるのだろうが)そのパフォーマンスをとりわけ動画で見たことがない人にはJBのパフォーマンスにぶっ飛ぶに違いない。本作品ではJBのパフォーマンスがたっぷり堪能できる。M.JacksonのムーンウォークもPrinceもJBの延長線上にあるものだ。

 人種隔離政策の時代にブラックカルチャーが白人世界で評価されることなどなかったから日本でもJBが絶賛される機会は少なかった。ミック・ジャガーなどイギリス白人中産階層の若者たちやエルビス・プレスリーが黒人文化を紹介する一翼を担ってからのことだろう。だからJBを間近に観れる本作は希少だ!

 バラッドも上手い。しかもダンスミュージックが抜群に得意だったJB。そのJBにとってショービズではなくショーとビジネス。ただしビジネスを成立させたショーマンシップは凄かった。鍛えられた苦労人の芸。チャップリンか。コント55号か。クレージーキャッツか。ドリフか。赤塚不二夫か。JBか。

 公民権運動でも行動したJB。社会運動の舞台ではMLKとマルコムX。アスリートではモハマド・アリ。そして、エンターテイナーではJB!MLKが暗殺され全土が失意の夜のボストン。そのライブでJBが群衆を落ち着かせ警官による暴力沙汰を阻止したJBの所作と対応は感動的な逸話だ。

from.undiscovermusic.jp

 エンターテイナーとして超一流のJBを知らないなんてもったいない。
   本作はDVDも発売されている。
   ジャッキー・ロビンソンを演じたチャドウィック・ボーズマンがJB役の、ミック・ジャガー製作による「ジェームズ・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男~」という映画もある。こちらも見てみたい。

 映画「ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン」の素材として使われていたと思われる1964年のT.A.M.I. Show (YouTube)。JBは4曲披露している。
T.A.M.I. ShowでのローリングストーンズとJBとの逸話はudiscovermusicに詳しい。

www.udiscovermusic.jp

 JBでひとつ思い出すのは、Talking Headsの'Stop Making Sense'(1984)。その中でトムトムクラブのセカンドシングル'Genius of Love'(1981)が披露されているのだが、その中で敬意を表してJBなど有名なブラックミュージシャンの名前が連呼されている。JBを見て思い出しました。

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