The BeatlesのBlackbird。1968年にリリースされたいわゆるホワイトアルバム中の一曲。
歌詞は、たとえば、以下のサイトを参照。
The Beatles - Blackbird Lyrics | AZLyrics.com
たまたまYouTubeを見ていたら、The Beatlesの'Blackbird'(1968)は、60年代のアメリカ合州国の公民権運動が背景にあるということを耳にした。
これはうかつだった。
なるほど"Black Is Beautiful Movement"だと気がついた。
そして1970年に出版された本多勝一著「アメリカ合州国」の中の「黒は美しい」を思い出した。
本多勝一氏の「アメリカ合州国」は当時思春期だった俺のアメリカ観を変革してくれた貴重な一冊だった。アフリカ系アメリカ人によるまさに意味論的闘いである"Black Is Beautiful Movement"については、まず「アメリカ合州国」(本多勝一)で学んだ。
Black is Beautiful - Wikipedia
ビートルズの中では、反逆児ジョン・レノンに惹かれた自分としては、ポール・マッカートニーを熱心に聞いたわけではない。
”Blackbird”を作ったポール・マッカートニーによると、”Blackbird”のメロディはバッハに触発されて思いつき、歌詞でうたわれる’Black bird’は、黒人女性を象徴しているという。背景には60年代の公民権運動がある。
ロックの音楽史では、ロックは、ブルーズやフォークソングも含めたカントリーミュージックなどを融合してつくられたということが知られている。イギリスのビートルズやローリングストーンズ、すなわちイギリスの中産階層の白人の子弟もカナダのザバンドも、アメリカ合州国南部のブルーズから深く学んでいる。初期のビートルズやローリングストーンズのアルバムにはアメリカ合州国の黒人音楽のカバー曲も少なくない。当然当時の彼らの黒人音楽に対する憧憬・リスペクトは小さくない。ポール・マッカートニーも例外ではなかった。公民権運動を背景として、黒人女性をBlackbirdに象徴させたことも不思議ではない。
しかし、これが黒人女性のことを歌った唄で公民権運動と関連した唄だとはなぁ。
アメリカ・アメリカと騒ぐわりには、日本人はアメリカ合州国のことを理解できていない。そのことを反省しないといけない。
なお、'Blackbird'はいろいろなミュージシャンがカバーしていて、Crosby, Stills and Nashもカバーしている。