ピーター・バラカン(Peter Barakan)氏の「ラジオのこちら側で (岩波新書)」を読んだ。
男の子の習性なのか、イギリスから日本に来るときにレコードの愛聴盤を持ってくるなど、俺と同じ発想と行動で、苦笑した。
収集癖など、男の子には共通性がある気がする。
あと、ピーター・バラカン氏が育った音楽環境や時代性が、なんとも面白かった。
嗜好性といってしまえばそれまでだが、音楽でも、認識というか、見え方が違っていることがわかって興味がつきない。
Neil Youngの"Ohio"や"No Nukes"は、おそらく同時代に体験してきた気もする。
「音楽をきっかけとして社会のことを知る人間だったのです」とバラカン氏は書いているが、俺も全く同じだった。
そんなバラカン氏が選んだ「時代を動かしたプロテスト・ソング」の一覧表を以前見たことがあるが、再掲されていた。
50曲中、以下の曲は、俺も愛聴してきたり、所有しているものだ。
数えてみたら50曲中、30曲くらいあった。
- Billie Holiday "Strange Fruit" 1939
- Woody Guthrie "This Land Is Your Land" 1940
- Bob Dylan "Masters Of War" 1963
- Pete Seeger "We Shall Overcome" 1963
- Sam Cooke "A Change Is Gonna Come" 1964
- Buffalo Springfield "For What It's Worth" 1967
- Aretha Franklin "Respect" 1967
- Creedence Clearwater Revival "Fortunate Son" 1969
- John Lennon "Give Peace a Chance" 1969
- Crosby, Stills, Nash & Young "Ohio" 1970
- Joni Mitchell "Big Yellow Taxi" 1970
- Marvin Gaye "What's Going On" 1971
- John Lennon "Imagine" 1971
- Randy Newman "Political Science" 1972
- John Lennon "Woman Is the Nigger Of the World" 1972
- Randy Newman "Sail Away" 1972
- Stevie Wonder "Living For the City" 1973
- Peter Gabriel "Biko" 1980
Bruce Springsteenの"Born In the U.S.A." (1983)、"Shipbuilding" (1983)、United Against Apartheid "Sun City" (1985)あたりで、バラカン氏のリストに俺がついていけなくなるのは、定期的に読んでいた月刊誌「ニューミュージックマガジン」の購読をやめ、積極的に音楽情報にアクセスしなくなったからだ。
ピーター・バラカン氏が書いたライナーノートで嬉しかった思い出は、なんといっても Donny Hathawayの"Live"をバラカン氏がとても褒めていたことだ。
Donny Hathawayの"Live"は俺が愛聴した一枚だったが、Rolling Stone Record Guideでも、五つ星の3つ星どまりだったのが不満だったから、バラカン氏の好評価はとても嬉しかった。
World Musicの興隆時期も氏の紹介文で、CDを購入していた時期もある。
90年代後半、ケルト音楽では、とくにアイリッシュ音楽を聞き込んだ。ドーナル・ラニーも好きになり、ドーナル・ラニーの当時の新譜"Coolfin"のモダンさに驚いたこともある。ドーナル・ラニー来日コンサートのときは、観客席でピーター・バラカン氏の姿をお見かけしたこともあった。
Steve Jobbsのスタンフォード大学でのスピーチ"Stay Hungry, Stay Foolish"の記述や、Talking Headsの"Life During Wartime"など、書きたいことはたくさんあるけれど、切りが無いないからまた今度にしよう。