「震えて書いた特攻命令書 「人殺しと一緒」95歳の後悔  戦後75年特集」

f:id:amamu:20051228113103j:plain

 以下、朝日新聞デジタル版(2020年8月20日 5時00分)から。

 太平洋戦争末期、米軍の艦船に体当たりする攻撃で多くの命が失われた特攻。日本統治下の台湾で多胡恭太郎(たごきょうたろう)さん(95)に課せられたのは、どの隊の何機を特攻機として飛び立たせるかを指示する「命令書」作りだった。
 「敵機動部隊は沖縄慶良間沖に集結しつつあり」
 「我軍はこれ(敵艦)を捕捉(ほそく)殲滅(せんめつ)せんとする」
 岡山県北部、津山市にある多胡さんの自宅。筆ペンを手に取り、記者の前で、その「命令書」を一言一句、再現してくれた。
 『書くときは隊員の顔が頭に浮かんでな。お互い立場が違うから言葉こそ交わさんが、飛行場では気をつけをして敬礼してくれる。だからみんな知っとる顔じゃ……。何度も何度も書き直して。身が斬られる思いじゃった。人殺しと一緒じゃ。全部で10枚ほど書いた。20人以上はわしが飛ばした。人生で最もつらい経験だった』
 1945年春、陸軍第九飛行団は、台湾北東部の街・宜蘭(ぎらん)の基地に近い洞窟に司令部があった。当時19歳だった多胡さんは攻撃の計画を練る司令部中枢の作戦室に所属。明かりに照らされた洞窟の個室の机で、A4判ほどの書面に向かい、がくがく震えながら鉛筆を走らせた。

 

 (後略)

 

 (華野優気)

 

南半球のスキー場(2)

f:id:amamu:20200819223836j:plain

Skiing in Australia (courtesy of "Unsplash")

 コロナ禍のいま行けるわけもないのだが南半球はオーストラリアのスキー場を調べている。

 昨日紹介したPerisher Blueというオーストラリアのスキー場は、New South Wales 州にあるMt Kosciuszkoの周辺のスキー場である。

 Kosciuszkoは、ネットで調べてみると「コシウスコ」「コジアスコ」「コジウスコ」「コジオスコ」などさまざまに記載され日本語名が定まっていないようだが、発音上は「カジウスコ」とか「カシアスコ」と聞こえるため、ここでは正確な表記はあきらめてここでは「カシアスコ」と表記する。明らかに語源が英語ではないとわかるこの名称はポーランドリトアニアの英雄の名前から来ているらしい*1

 いずれにせよ、カシアスコ山は2228mあり、オーストラリア大陸の最高峰であるという。オーストラリアでは冬季主要なスキーリゾートとして知られる。

 カシアスコ山はニューサウスウェールズ州に位置しているが、ビクトリア州との州境であり、辺り一帯はカシアスコ国立公園になっている。

 ここら周辺にPerisher Valley, Smiggin Holes, Mt Blue Cow, Guthegaの4つのスキー場から成るPerisher Blue(標高1680m)もあり、Thredbo(標高1370m)、Charlotte Pass(標高1780m)もある。

f:id:amamu:20200819223626p:plain

Kosciuszko National Park (courtesy of Google)

 Thredbo(標高1370m)は、スレドボ、あるいはスレッドボと表記されることが多いが、発音上は「スレ(ッ)ボー」に近い。

 Lonely Planetによると、Thredboでは長い距離を滑ることができるようで、670mの標高差を3キロのコースがあるようだ。他のスキーリゾートとは一味違うのは、Thredboは夏も花やハイキング、景色を楽しめるところのようだ。

 Thredboもスキー場は営業している。

 コロナ対策も表現の仕方は多少違っているが基本は変わらない印象をもった。

www.thredbo.com.au

f:id:amamu:20200826173043p:plain

Lonely Planet guidebook "Australia"

 

*1:Kosciuszkoは、アメリカ独立革命時の歴史的人物であるにもかかわらず、英語の母語話者にとってもKosciuszkoの発音と綴りは難しいようだ。あのジョージ・ワシントンも12回も綴りを間違えたらしい。Kosciuszkoの発音の難しさはYouTubeをチェックしてみるとよくわかる。数年前にニューヨークに新たに作り直されたKosciuszko の名前のついた橋。その橋の名前を発音できないニューヨーク市民は少なくなかった。読みにくい漢字をそのままチェックせずに済ましてしまう日本人の姿勢とこれは似ている。

「大谷翔平、6試合ぶり打点も無安打で再び打率1割台に 最近5試合2安打、チーム完敗」

以下、Full-Count(2020.08.19)より。

エンゼルス大谷翔平投手は18日(日本時間19日)、本拠地のジャイアンツ戦で「5番・指名打者」で2試合ぶりに先発出場した。4打数無安打1打点に終わった。ここ5試合は19打数2安打と調子を落とし、打率.191となった。チームは2-8で敗れた。

「「第2波のまっただ中」感染症学会理事長 学会で見解」

f:id:amamu:20051228113103j:plain

以下、朝日新聞デジタル版(2020/8/19 14:01)から。

 日本感染症学会の学術講演会が19日、東京都港区で始まった。新型コロナウイルス感染症の国内の流行状況について、舘田一博理事長は冒頭のあいさつで、「『第2波』のまっただ中にいる」との見解をしめした。

 舘田理事長は、「『第1波』は緊急事態宣言の後、なんとか乗り越えられたが、いままさに『第2波』のまっただ中にいる」と述べた。そのうえで「『第1波』を超える感染者が確認されているが、死者は少ない状況が維持されている」などと指摘した。

 また、全国と東京の新規感染者数の1週間平均を踏まえ、「ピークを越えたようにも見える」としながらも、再上昇しないか注意が必要だと語った。

 同学会の学術講演会は当初、4月に予定されていたが、新型コロナの感染拡大を受け今月に延期された。現地とウェブの混合開催となり、合わせて約3千人が参加するという。21日までの3日間開催される。(野口憲太)

「入試英語、書く・話す力は各大学で試験を 学術会議提言」

f:id:amamu:20051228113103j:plain

以下、朝日新聞デジタル版(2020/8/19 17:57)から。

 日本学術会議の分科会(委員長・伊藤たかね東京大大学院教授)は18日、大学入試での英語試験のあり方について提言をまとめた。英語を「書く」「話す」力は大学入学共通テストではなく、各大学が必要に応じて測るよう提案。民間試験の活用も、大学の判断にゆだねるよう求めた。

 来年1月から始まる大学入学共通テストで、文部科学省は当初、英語の4技能(読む、書く、聞く、話す)を測るのに、民間試験を活用する方針だった。

 だが、住む地域や経済状況による受験機会の格差が生まれる事態が避けられないなどとして、昨年11月に見送った。新入試制度が始まる2024年度以降にどうするかは、有識者会議の「大学入試のあり方に関する検討会議」で検討している。議論の成果は来年1月の第1回共通テスト以降にまとめる見込みだ。

 (後略)

(編集委員・氏岡真弓)

「開示たった10枚、なぜなのか 赤木雅子さん陳述全文」

f:id:amamu:20051228113103j:plain


 以下、朝日新聞デジタル版(2020年8月18日 19時28分)から。

学校法人森友学園大阪市)を巡る財務省の公文書改ざん問題で、改ざんに加担させられたとして自死した同省近畿財務局職員の妻・雅子さんが、夫の公務災害認定に関する情報を速やかに開示するよう国に求めた裁判が18日、大阪地裁で始まった。この日あった雅子さんの意見陳述の主な内容は以下の通り。

 私の夫、赤木俊夫は公文書である決裁文書を改ざんしたことを悔やみ、自ら人生の終止符を打ちました。2018年3月7日のことです。
 夫の死後、私は夫の手帳に「国家公務員倫理カード」が入っているのを見つけました。このカードには、「国民全体の奉仕者であることを自覚し、公正に職務を執行していますか?」、「国民の疑惑や不信を招くような行為をしていませんか?」などと書かれていました。カードはすり切れていました。夫は改ざんを指示された時も、改ざんをした後も、きっと何度もこのカードを見ていたのだと思います。
 また、夫は「私の雇い主は日本国民。国民のために仕事ができる国家公務員に誇りを持っています」と生前知人に話していたほど、国家公務員の仕事に誇りを持っていました。
 夫は真面目に、そして誠実に国家公務員として働こうとしていたのです。
 このような夫が決裁文書の改ざんによって受けた心の痛みや苦しみはどれだけのものだったでしょうか。
 夫は改ざんをすることは犯罪だと言っていましたし、国家公務員としてやってはいけないことをやってしまいとても悔やんでいました。
 夫の最期の顔は孤独と絶望に満ち溢(あふ)れていました。決裁文書の改ざんはここまで夫を追い詰めたのです。
 私は、夫が財務省に殺されたと考え、平成30年4月24日に公務上災害の認定請求を行い、平成31年2月7日に公務災害だと認定されました。
 夫の自死が公務災害なら、具体的にどのような理由で公務災害になったのか知りたいと考え、私は令和元年9月11日に人事院に対して情報開示請求を行いました。
 しかし、開示された70枚ほどの文書は殆(ほとん)どが黒塗りでした。
 私は、黒塗りの文書を見て、驚き、腹が立ち、そして悲しくなりました。
 弁護士さんによると、国家公務員災害の遺族が情報開示請求をした場合でも、ここまで黒塗りになることは見たことがないそうです。
 なぜ、夫の場合は殆ど黒塗りなのでしょうか。国は、どうして夫の自死の原因をここまで隠そうとするのでしょうか。私には全く分かりません。
 私は、令和2年4月13日、近畿財務局長に対して、夫の公務災害を認定するため近畿財務局長が保有する一切の文書について、個人情報開示請求を行いました。
 すると、近畿財務局長は、令和2年5月13日、「新型コロナウイルスによる緊急事態宣言に伴う処理可能作業量の減少、業務多忙、及び対象文書が著しく大量で審査等に時間を要するため」という理由で、令和2年6月15日までに可能な部分について開示決定等を行い、残りの部分については令和3年5月14日まで開示決定の期限を延長するという通知を送ってきました。
 私はこの通知を見たとき、とても腹が立ちました。新しく文書を作成するなら1年間は仕方ないかもしれませんが、もともとある文書を出すだけなのに、どうして1年間もかかるのか、私には理解できません。
 また、たしかにコロナの問題はあると思います。しかし、近畿財務局には優秀な職員がたくさんいらっしゃると思います。なのに、どうして開示決定の期限が1年ものばされてしまうのでしょうか。近畿財務局は、この訴訟の中で、文書の量や開示を担当する職員の数を示した上で、どうして1年も期限を延長しなければならないのか、明らかにすべきだと思います。
 そして、近畿財務局長が令和2年6月10日に開示したのは、「公務災害に係る遺族補償年金等の支払いについて」というたった10枚の文書でした。これらの10枚の文書は、私に送られてきたものが含まれていますし、年金がいついくら払われたかということも私は当然知っています。
 私はこの10枚の文書を見たとき、とても残念な気持ちになりました。
 人事院ですら殆ど黒塗りといえども70枚の文書を開示したのに、近畿財務局はなぜたった10枚なのでしょうか。また、私が夫の自死の原因や経緯を知るために情報開示をしているのに、近畿財務局はなぜ支払いに関する文書を開示するのでしょうか。
 近畿財務局は、私が夫の自死の原因や経緯を知りたいという気持ちから逃げていると思いますし、子供だましのように問題の核心から逃げていると感じました。
 最後に、裁判官の方々にお伝えしたいことがあります。
 私の夫は決裁文書という公文書を改ざんしたことに苦しんで亡くなりました。
 そして、今、私は、自死遺族という立場にいるのに夫の自死の原因や経緯を記した公文書が開示されないことで苦しんでいます。
 夫婦で公文書のことで苦しんでいるのです。
 私の望みは、夫の自死の原因や経緯を知ることです。夫の身に何があったかを事実を知りたいだけなのです。この私の望みを是非叶(かな)えて下さい。夫のことを知ることができないという苦しみから解放して下さい。
 宜(よろ)しくお願いいたします。