「官邸幹部「これでおしまいとは思っていない」佐川氏辞任」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年3月10日05時47分)から。

 安倍晋三首相は、佐川宣寿氏を国税庁長官に充てる人事を「適材適所」とかばい続け、与党は国会招致も拒否してきた。だが、書き換え疑惑への対応が後手に回って国会の混乱が続き、追及に抗しきれぬ形で辞任に追い込まれた。政権にとって打撃となるのは確実だ。

 野党6党は、財務省職員への聞き取り調査結果が報告されないことなどを不服とし、9日も国会審議に応じなかった。公明党井上義久幹事長も同日の会見で政府の対応の遅れを指摘し、「極めて遺憾だ」と不快感を示すなど、与野党問わず政府、財務省への不満が高まっている。

 国税庁長官の辞任で、政権は決裁文書の書き換え疑惑を少しでも収束に向かわせたい考えだが、疑惑の解明につながるものではない。官邸幹部も「これでおしまいになるとは思っていない」と語るなど、事態収拾は見通せていない。

「佐川長官を減給処分 文書書き換え疑惑、12日調査結果」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年3月10日00時45分)から。

 学校法人・森友学園大阪市)への国有地売却問題で、麻生太郎財務相は9日、当時の財務省理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)・国税庁長官を減給処分とし、佐川氏が同日付で辞任したと発表した。同学園との土地取引をめぐっては、朝日新聞の報道で同省の決裁文書が書き換えられた疑いが浮上しており、麻生氏は佐川氏の辞任の理由として「決裁文書の国会提出時の担当局長だった」ことも挙げた。処分と同時の辞職で、事実上の更迭とみられる。

 財務省は週明けの12日、決裁文書の書き換えの疑いについて調査結果を公表する。

 麻生氏は9日の財務省での記者会見で、佐川氏の辞任の理由について①国会対応に丁寧さを欠き、審議の混乱を招いた②行政文書の管理状況について、さまざまな指摘を受けた③決裁文書の国会提出時の担当局長だった――の3点を挙げた。麻生氏自身の辞任は「いま特に考えているわけではない」と否定した。

 また、麻生氏は「行政文書への信頼感が落ちる結果を招いた」ことなどを理由に、佐川氏に対する減給20%3カ月の懲戒処分を発表。退職金から差し引くことを明らかにした。また、「退職後でも(大阪地検の)捜査や(財務省の)調査に協力し、結果次第でさらに重い懲戒処分に相当する可能性がある」とも説明。今後、新たな事実が明らかになった場合は、佐川氏に追加の処分を行うとする異例の措置も表明した。佐川氏が理財局長だった時期に、決裁文書の内容が書き換えられた疑いに対する調査については「きちんと対応させていただくということで、来週早々に(結果を)示したい」と述べた。

 一方、佐川氏は麻生氏の会見後、財務省内で記者団の取材に応じ、辞任の理由として「決裁文書について大きな議論がなされている最中で、その文書を国会に提出したときの担当局長だったので、国会の状況を踏まえ、辞職のお願いをした」と語った。一方、記者団に書き換えについて問われると、「捜査を受けているのでコメントを差し控える」と述べた。

 佐川氏は、学園との国有地売買契約交渉がほぼまとまった2016年6月に理財局長に就任した。朝日新聞が昨年2月、学園側への国有地売却時に大幅に値引きされていた問題を報じた後、佐川氏は「面会記録は廃棄した」と国会で答弁。しかし、交渉経緯が記された文書が後で見つかった。また、「価格交渉はなかった」とも答弁したが、財務省側が学園側に金額を示しながら交渉を進めていたことを示す音声データが明らかになっていた。

 野党は今国会で、佐川氏の更迭を要求。これに対し、麻生氏は「これまでの識見、経験を見ても極めて有能」などとして拒否してきた。

「「佐川さん犠牲者かも」「隠蔽はかる辞任」 野党が批判」

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 以下、朝日新聞デジタル版(3/10(土) 5:49配信)から。

 森友学園との国有地取引をめぐる真相解明に向け、財務省の佐川宣寿・前理財局長の国会招致を求めてきた野党各党は、佐川氏の国税庁長官辞任を「政権の責任逃れ」と一斉に批判。引き続き説明責任を果たすよう求める構えだ。与党側にも危機感が強まっており、週明けの国会が荒れるのは必至の情勢だ。

 「『佐川氏隠し』をやってきた安倍政権の責任は極めて重大だ」

 共産党小池晃書記局長は9日、国会内で記者団を前にして語気を強めた。立憲民主党辻元清美国会対策委員長も記者団に、「佐川さんも犠牲者かも知れない。政治家が政治的に責任を取るべき案件だ」と指摘。希望の党玉木雄一郎代表は「隠蔽(いんぺい)をはかるための辞任ではないか。麻生大臣の責任も厳しく問われる」と記者団に語った。

「権力が苦悩与えている」 疑惑残し…佐川氏、急転引責」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年3月10日10時05分)から。

 森友学園との国有地取引をめぐり、学園への便宜を否定する国会答弁を重ねた財務省前理財局長の佐川宣寿(のぶひさ)国税庁長官が急転直下、引責辞任した。森友問題で初めて、政府側が責任を認めた格好だ。しかし、疑惑は未解明のままで、事態はますます混迷の度を深めている。

 9日夜、財務省。大勢の報道陣が詰めかけるなか、麻生太郎財務相は佐川氏との面会を終えて、緊急の記者会見に臨んだ。

 「本人の申し出で退職することになった。国税庁長官として不適任という意識は私にはない。正直、残念だ」

 国有地取引に関し、書き換えられた疑いのある財務省の決裁文書の担当局長として、「結果次第でさらに重い懲戒処分になる可能性がある」と通告したことを明かしたが、肝心の調査結果については言及を避けた。

 書き換え疑惑で週明けに調査結果を出す直前に、なぜ佐川氏だけを減給処分にしたうえ、辞任させたのか。事実上の更迭にしては、政権の段取りはちぐはぐさが目立つ。会見の質問もこの点に集まったが、麻生氏は「(辞任を申し出た)本人の気持ちは理解してやらないといけない」「今でもきちんとした人だと思っている」などと繰り返すだけで核心には触れなかった。会見時間は約1時間に及んだ。

 麻生氏の会見後、報道陣の前に佐川氏が姿を現した。辞任を決意した時期を問われると「そこは明確でなくて、いずれにしても今日の朝、大臣に辞任を申し出たということ」と述べるにとどめた。

 佐川氏は理財局長だった昨年の通常国会で、森友学園問題での事実確認や記録の提出を拒み続け、「真相解明を阻んでいる」との批判を受けていた。そこへ決裁文書の書き換えという新たな疑惑が発覚。野党が引き続き証人喚問を求めていた矢先の辞任劇だ。

 財務省が満足な説明をできない状態が続き、国会は与野党対立の膠着(こうちゃく)状態が続く。自民党森山裕国会対策委員長は「一般人になられ、(国会招致が)難しくなった」と語り、早くも幕引きのための辞任であることを認めるかのようだ。

 しかし、そう簡単な話ではない…

 (後略)

「シャンハイムーン」を観てきた

 昨夜、井上ひさし原作、こまつ座&パブリックシアターの「シャンハイムーン」を観てきた。
 凝り性の井上ひさしらしい練り込まれた戯曲で、演じる側の力量が問われる、演じるのにむずかしい戯曲と思った。
 主演は野村萬斎
 脇を、広末涼子鷲尾真知子、土屋佑壱、山崎一辻萬長が固める。