旅の始まりをようやく実感する

 宿の居間には別室としてキッチンがついている。勝手に湯を沸かしてお茶やコーヒーが飲めるようになっているし、手作りのクッキーも食べられる。コーティングがしてあるクライストチャーチの大きな地図がテーブルに置かれていて、少しくたびれたその市内地図をお茶を飲みながら見ていると、ようやく旅が始まった気持ちになってきた。今日歩いた場所を地図で確認して、部屋に戻って私は眠りについた。