アテネオリンピックの閉会式をやっていた

 アテネオリンピック開催中は結構競技を見た。昨日だったか、日本の女子シンクロなどは、太鼓のリズムを基本にした音楽がまず良かったし、その音楽にかなう、さらに見事な演技だった。
 ニュージーランドは、前半、多少元気がなかったが、ジョージーナとキャロライン=エバーズ=スウィンデルの双子姉妹の女子ダブルスカルの金メダル獲得を皮切りに、自転車女子サラ=オーマの金メダルと、ニュージーランドの女性アスリートのめざましい活躍が目立つようになった。
それに励まされるかのように、男子トライアスロンのヘーミッシュ=カーターの金メダル、そしてビバン=ドクティの銀メダルという、金・銀メダルの同時獲得という快挙。続いて、男子K1で世界チャンピオンのベン=フォウィーが銀メダルと、男子も負けずに素晴らしい活躍だった。
 前にも書いたけれど、ニュージーランド人には気負いが感じられないアスリートのすがすがしさがある。自転車のサラ=オーナなどは、印象としてスポーツ選手という感じすらしない。どこにでもいそうな明るい女の子という印象だ。
 そんな印象を持っていたら、アテネオリンピックの簡単な総括を1チャンネルのブレックファーストという毎日のニュース番組でやっていた。まずメダル予想だが、ニュージーランドのスポーツ協会の立場の人間によると、合州国の雑誌「スポーツイラストレイティッド」などでも、もう少しメダルを獲得できる予想があり、それと比べると、もう少しいけたのではないかという総評のようだ。80年代からイギリス、オーストラリアの活躍はめざましいらしく、特にオーストラリアは、人口比からすると、スポーツ王国だとコメンテーターが言っていた。全体にオーストラリアやイギリスと比較すると、ニュージーランドはもう少し頑張らないとというニュアンスだ。ニュージーランドは、常にこうしてイギリス・オーストラリアと比較しながら論じられるのだろう。
 また、その理由だけれど、キーウィーらしくハングリー精神がないからということではなく、まず人口比の問題が語られ、チームスポーツの層が国際的なスポーツ競争ではなかなか勝てないことや、国のバックアップ、とくにコーチ陣、選手層の集め方の話をしていて、納得できる話ばかりだった。私がニュージーランドの選手たちに抱いた印象はどうやら的外れでないようだ。
 ところで、ニュージーランドのテレビ放映だけれど、とてもレベルが高い。とにかく内容が濃いし、編集が上手である。
 インタビューもたっぷり時間をとって、撮影した映像を長く流してくれるから、スポーツ選手の考え方もよくわかる。スウィンデル姉妹の金メダル、サラ=オーマの金メダルの瞬間などは何度も流していて、普通なら食傷気味になるはずなのに、うまく編集をしていて映像として美しかった。何度見ても見飽きることはなかった。それからBGMだけれど、その美しい映像の背景に、レッドツェッペリンの「天国への階段」(Stairway to Heaven)などがかかってしまうものだから、とても気持ちが動かされる。U2の「素晴らしい日」(Beautiful Day)や、スティングの「君のこと、見てるよ」(I’ll Be Watching You)などが、歌詞の内容と合うように映像を流している。司会者も音楽の歌詞を少しだけ受けて、取り上げたりする。とてもセンスがいいのだ。
 失礼ながら、ファッションも洋服もほとんど気にしない国民性なのに、映像技術が高いのは、大学で映像関係をしっかりと学んだスタッフがいるのだろう。なかなか感心してしまう作り方なのである。