イギリス語では何故サムライを数えないのか

「七人の侍」

 徹夜で、名詞の「数意識」について書いた。
 もう少し早目に終わるかと思ったのだが、日本語で論旨を書いてイギリス語に翻訳して書き上げて、結局朝の6時までかかってしまった。
 徹夜なんて、何年ぶりだろうか。参考文献の取り上げ方が雑だが、もう余裕がない。さっそく担当教授に添付ファイルのメールで送ったら、受け取りの返事のメールがすぐに来た。
 さて、イギリス語はあれほど数にうるさい言語なのに、なぜsheep(ヒツジ)を数えないのか。イギリス語の母語話者、とりわけお父さんとお母さんたちが子どもたちに「ヒツジは単数も複数も同じなのよ」といちいち教えているかと思うと、他人事ではあるけれどエネルギーと時間の無駄じゃないのかと思えてならない。
 さらに言えば、数にうるさいイギリス語で、なぜsamurai(「サムライ」)を数えないのか。日本が誇る黒澤明の「七人の侍」は、イギリス語では"Seven Samurai"となっている。何故、Seven Samuraisじゃないのか。サムライなんて群れた魚やヒツジと同じで、人間と思っていないんじゃないかと、意地の悪い私はイギリス語の人権意識を疑ってしまう。
 そういう不満を土台にして書いてみた。