Linguistics

「言語社会学者の鈴木孝夫さん死去 「ことばと文化」著者」

鈴木孝夫氏については、このブログの中でも何度か紹介したことがある。 岩波新書「ことばと文化」(1973年)は、英語教師ばかりでなく広く読まれていたことだろう*1。これは印象に過ぎないが、英語という大言語の研究から、その後、多言語文化が進行していく…

「(コトバと場所)翻訳できない「わたし」 方言と世間、土地を離れ仮想化」

以下、朝日新聞デジタル版(2021/1/5 5:00)から。 「もし僕が訳すとしたら『黒人だって生きている!』というのが近いように思うんだけど、いかがでしょう?」。米文学の翻訳も手がける作家の村上春樹さんは昨年8月、自身のラジオ番組でこう問いかけた。 米国…

「言葉の意味ずらす、今の政治 批判逃れの「見事な技術」」

以下、朝日新聞デジタル版(2017年8月1日07時25分)から。 様々な言葉を繰り出して議論を交わし、時に追及をかわす政治家たちの術。「印象操作」「怪文書」「こんな人たち」という発言を例に、野矢茂樹・東大教授に論理的にひもといてもらった。 最近の政治…

「外国語学習の科学」を読んだ

白井恭弘さんの「外国語学習の科学 ―第二言語習得論とは何か」を読んだ。 これも、積読したままで、今まで読まなかったものの一冊だが、いろいろと学ぶことができた。 母語習得に失敗した、という話はあまり聞いたことがありません。一方、外国語の習得は、…

なぜsamuraiの複数形もsamuraiなのかがわからない

名詞における英語の「数意識」については、前にも書いたことがあるのだけれど、最近よく聞くようにしているNPRのCar Talkを聞いていたら、「車の名前で複数の名前がついているものを三つ上げてみて」というクイズ(the Puzzler)があった。 たとえば2007年のク…

「何と言う」

今日が、応用言語学の最後の課題提出日。 応用言語学では、いろいろあったけど、今はOTの「何と言う」が心にしみる。 ストイックな歌い方の中で、ものすごく高いテンションがあるね、今回の「LION」というアルバムは。 言葉はなお そこいらじゅう やたらと増…

担当教授のところにガイダンスを受けにいく

最後の課題をどう書くか相談しに、応用言語学の教授のところに行く。 残っているのは、応用言語学の課題と、CALLの課題が三つもある。 何とかこれらをやっつけないとね。

初級者には、受動態は教えなくてもいいんじゃないかと言うけれど

ところが講義の最後の方で、「どのような学習者が受動態を必要としているか」「受動態を教えるとしたら、どの年齢で、どのように教えるか」という問いかけがなされ、これに対する答えとして、今実際にラングエッジインスティチュートで英語を教えているオー…

2学期の応用言語学の全ての講義が終わった

昨日の月曜日で応用言語学の2学期の講義が終わった。学会出張から帰ってきた担当教授による、代講した教授も参加しての最終講義である。昨日の講義は、「受動態」。受動態は、形からすると一見簡単に見えるが、その中にどのような問題があるかという内容だっ…

母語という思想

「母語」というコトバを定着させたのは、言語学者・田中克彦氏の思想的功績である。田中克彦氏の名著である「ことばと国家 (岩波新書)」はあまりにも有名な本であるが、ことばの問題を考える全ての人が読むべき必読文献である。

才能がないなんて言ってる場合じゃないや

今回は徹夜まではしなかったけれど、土日と結構な時間を使って応用言語学の課題を書いたのだけれど、なかなかまとまらなくて、とても困った。「君たちのレベルは、文章を書くのではなくて、恥をかくんですよ」と、その昔随分とお世話になり、今でもお世話に…

オリンピック報道で聞いた「ワザーリ」

ニュージーランドに来てから2ヶ月以上が経つけれど、この間にテレビで2回ほど日本語からの借用語を聞いたことがある。 ひとつは、「ワザーリ」。もうひとつは、「ミズーナ」である。前者はwazaariで、後者はmizunaと綴るのだろうか。音で聞いたからはっきり…

人という字は、どういうときにジンと読み、どういうときにニンと読むのか

今日が締め切りなので、語彙形成に関する課題の最後の仕上げにかかっている。 イギリス語の語彙は、ラテン語やギリシャ語を根っこに持っている語彙が少なからずあり、またフランス語やイタリア語、ドイツ語からの借用語も少なくない。派生語をつくる接頭辞や…

昨日から授業が再開した

これはマオリ語ともとても似ているのだけれど、日本語の母音はアイウエオの五つくらいしかないのに、イギリス語の母音といえば、日本人には発音がむずかしい例の「あいまい母音」という奴もいれて、長母音も含めると、アの仲間ですら四つもある。おまけに、…

イギリス語では何故サムライを数えないのか

徹夜で、名詞の「数意識」について書いた。 もう少し早目に終わるかと思ったのだが、日本語で論旨を書いてイギリス語に翻訳して書き上げて、結局朝の6時までかかってしまった。 徹夜なんて、何年ぶりだろうか。参考文献の取り上げ方が雑だが、もう余裕がない…

「言語教育と応用言語学のための辞書」を読む

今日は日曜日。 とてもいい天気なのだけれど、応用言語学の課題2の締切りが明日の朝までで、担当教授に電子メールで提出しないといけないから、家にこもって課題を書き上げないといけない。テーマは、名詞の「数えられる」「数えられない」という単純なもの…

課題の締切りが近い

大学の授業は2週間ほどの休みに入って、すでに1週間が過ぎようとしているけれど、この間、図書館はやっているし、大学内の薬局やコピーサービス、ベネッツという本屋もやっているから、学生生活としては全く問題がない。 応用言語学の課題やCALLの課題が出て…

今週が終われば、中間休み

時のたつのは早いもので、今週が終われば大学も小休止。2学期の中間休みとして二週間ほどの休みになる。 冬休みということになるのだろうか。テレビでも、オークランドのホテルなどが休みになるから泊まってほしいと宣伝を始めているから、学校全体が休みに…

昨日の授業

昨日レンタカーを返してから、大学に行き、月曜日の応用言語学の授業を受けた。応用言語学ではまた課題が出された。教授とも相談したが、名詞の可算名詞・不可算名詞のことでも書こうかなと思っている。

やらせっぱなしでなく、すぐにフィードバックがあるのはいいことだ

応用言語学の教授からは、早速昨日の授業で、各学生に評価の手紙が配られた。ワープロによる英文タイプで書かれ、署名も入っていて、ABCで評価がつけられている。彼の言葉どおり、日曜日に学生の課題を全部読んだのだろう。彼はイギリス人だが、ニュージーラ…

応用言語学の課題文献を読まずに書いたので課題の書き直し

応用言語学の課題は月曜日に提出したのだが、課題文献を読んで課題を書かないといけないところを、課題文献が全て入ったCD-ROMが手に入らないことをいいことに、私は自分の文法論を勝手に書いて提出していた。 担当教授に呼ばれて話し合いをしないといけなく…

「言語」と「言語活動」、そして「演繹的アプローチ」と「帰納法的アプローチ」

言語学習を山登りにたとえることは、それはあまり論理的とはいえないかもしれないけれど、山の頂上に到着するためには、いかなる道具も使っていいし、何をしても、何を選んでも構わない。このように考えると、外国語を教えるにあたって、学習者の条件を考え…

文法についての課題と私の答え

文法とは何か。外国語を学ぶのに文法って必要なのか。仮に必要だとして、どのレベルの学習者に、どの程度、教える必要があるのか。そんなテーマが一週間前に応用言語学の宿題として与えられた。 バス停でバスを待つ間にメモ書きして、自室に帰って、いきなり…

応用言語学の授業が始まる

学費納入の事務処理が遅く、授業に5分ほど遅刻をしてしまった。ワイカト大学(The University of Waikato)では、1階がグランドフロアでGと呼んでいる。地下はベースメントでBだから、2階が1階になる。いわば、これはイギリス式なのだろう。けれども、建物…

「日本語に主語はいらない」を読んだ

日本語に主語はいらない (2002) 「日本語に主語はいらない」金谷武洋(2002)を読んだ。 日本語では、「私はあなたを愛しています」はいわゆる翻訳調となり、「好きだよ」のほうが、日本語らしく、また自立している。ということで英語やフランス語では、人称代…

「実践コーパス言語学」(1988)と「英語コーパス言語学」(1988)を購入した

「実践コーパス言語学 英語教師のインターネット活用」(1998) と「英語コーパス言語学 基礎と実践」(1998) を購入した。 コーパスもしくは電子コーパスとは、「言語研究に使用されることを想定して、実際に書かれたり話されたりした言語をコンピュータ上で利…

「言語からみた民族と国家」田中克彦(1978)を読了した

言語からみた民族と国家 (1978) 「言語からみた民族と国家」田中克彦(1978)を読了した。初版は1978年だが、私のものは1982年の版。 言語思想を学ぶことのできる一冊。

「言語の思想」田中克彦(1975)を読了した

言語の思想 (1975) 「言語の思想」田中克彦(1975)を読了した。 本書は何度でも読まなければいけない労作。

「ことばと国家」田中克彦 (1981)を読んだ

ことばと国家 (1981) 本書によって眼が開かれたことは少なくない。 たとえば「母国語」でなしに「母語」(ぼご)というコトバは著者から初めて学んだ。 言語学者・田中克彦氏による労作である本書は、ことばに関心を寄せる全ての人たちにおすすめだが、もち…

「ことばと文化」鈴木孝夫(1973)を読んだ

ことばと文化 (1973) 私の持っている版は1981年の第14刷。岩波新書のベストセラーの「ことばと文化」鈴木孝夫(1973)を読んだ。 「ことばの構造、文化の構造」のところでは、英単語 break を用いての「ことばの構造性と辞典の記述」の 説明がわかりやすい。つ…