Language Education

「迷走する英語教育をただす -中村敬の理論・思想・実践をもとに」を読んだ

迷走する英語教育をただす -中村敬の理論・思想・実践をもとに ホームランダービーに出場し翌日オールスターゲームで打って投げるという歴史的快挙を果たすことになった大谷翔平投手の活躍を期待してMLBのオールスター戦を見た。MLB前半戦における大谷投手…

「言語社会学者の鈴木孝夫さん死去 「ことばと文化」著者」

鈴木孝夫氏については、このブログの中でも何度か紹介したことがある。 岩波新書「ことばと文化」(1973年)は、英語教師ばかりでなく広く読まれていたことだろう*1。これは印象に過ぎないが、英語という大言語の研究から、その後、多言語文化が進行していく…

「(コトバと場所)翻訳できない「わたし」 方言と世間、土地を離れ仮想化」

以下、朝日新聞デジタル版(2021/1/5 5:00)から。 「もし僕が訳すとしたら『黒人だって生きている!』というのが近いように思うんだけど、いかがでしょう?」。米文学の翻訳も手がける作家の村上春樹さんは昨年8月、自身のラジオ番組でこう問いかけた。 米国…

「「総合的・俯瞰的」は稚拙な日本語 にじむ政権のおごり」

以下、朝日新聞デジタル版(2020/12/11 19:00)から。 日本学術会議問題で浮上し、今年の流行語大賞にもノミネートされた「総合的・俯瞰(ふかん)的」。わかったようでわからないこの言葉に、果たして実体はあるのでしょうか。政策コンサルタント・室伏謙一さ…

「留学生バイト漬け、学級崩壊も放置 日本語学校で見た闇」

以下、朝日新聞デジタル版(2019年3月18日12時45分)から。 留学生20人が学ぶ教室内で、授業に耳を傾ける学生はほとんどいない。スマホをいじったり、母国語でおしゃべりしたり。居眠りする学生もいる――。 都内のある日本語学校の光景だ。1年半前、この教…

「常套句でうやむやにする政治を疑え 政権の言葉を考える」

以下、朝日新聞デジタル版(2018年10月26日07時25分)から。 「遺憾」「不徳の致すところ」――。この二つの決まり文句=常套句(じょうとうく)で、おおかたのことがうやむやにされている感のある今日このごろ。秋の臨時国会は始まったが、このもやもやした思…

「日本語分からず授業座るだけ ごっそり抜けた中学の勉強」

以下、朝日新聞デジタル版(2018年9月30日10時49分)から。 外国で育つなどして日本語教育が必要な公立高校生が、全国の公立高校生の平均と比べ、7倍以上の割合で中退していることが明らかになった。こうした生徒の増加に伴い、支援に力を入れる高校は増え…

「日本語教育必要な生徒、1割弱中退 公立高平均の7倍超」

以下、朝日新聞デジタル版(2018年9月30日05時01分)から。 外国で育つなどして日本語が十分にできず、「日本語教育」が必要な公立高校生のうち、9・61%が昨年度に中退していたことが、文部科学省が初めて実施した調査の結果で分かった。2016年度の…

「価値観すり合わせ 第三の道を開く 対話の言葉磨こう」

7月5日付の朝日新聞の「インタビュー」の欄で、「政治と言葉」について、劇作家の平田オリザさんのインタビューが載っていた。 「会話」と「対話」は違うものですかという質問に対して、平田さんは、「会話」は「親しい人同士のおしゃべり」、「対話」は「異…

膠着語である日本語の特質に合致した宮澤賢治の「雨ニモマケズ」

井上ひさしさんの「宮澤賢治に聞く (文春文庫)」を読んでいたら、「日本の、すぐれた詩人がみなそうであるように、宮澤賢治もまた第一級の日本語の使い手であった、ということに思い当ったのは、昨年(一九七六年)の春、オーストラリア国立大学で<客員教授…

「日本語は特殊な言語ではない」

朝日新聞の本日の夕刊のコラム「人・脈・記」に、言語の比較研究で興味深い話が載っていた。 残念ながら私は手にしたことはないのだが、「世界の言語と日本語」(1991年)*1の著者・角田太作さんは、東大大学院生であった1971年にオーストラリアのモナッシュ…

Social Networking Language Education Websites: Live mocha, Busuu, Babbel, Myngle, Italki.com, Lang-8, Edufire

インターネット上の外国語学習用のサイトが充実してきているというので、ここ数週間、外国語学習用のサイトをあれこれ試している。問題は、結構たくさんあるので、どこに何があるのかということである。 "Social Networking Language Education Websites"と…

梶山季之原作、ジェームス三木脚本・演出の「族譜」を観てきた

青年劇場の「族譜」を観てきた。 劇の舞台は、昭和15年、朝鮮京畿道水原郡。日本政府による皇民化政策「創氏改名」をテーマとして、改名を拒否する地主・薜鎮永(ソルジニョン)の物語である。 薜は、日本軍にたくさんの米を献納する親日家であったが、先祖…

「学校で母語禁じ「忠誠」丸暗記」

梶山季之氏の「族譜」を原作としてジェームズ三木氏が舞台化した劇団青年劇場による「族譜」の舞台公演が近づいている。 そのことに触れながら、今日の朝日新聞の「歴史と向き合う」という欄で「朝鮮人に強いた報国」という題名で記事が掲載されている。その…

母語の重要性については、マオリから学ぶべきである

昨日の朝日新聞にシンガポールの抗日の曲「熱血」についての記事が載っていた。 その記事の後半部分で、次のような箇所があった。 「英植民地時代に育った老人たちは意味も分からないまま覚えた讃美歌を今も歌う。シンガポールは70年代末に英語教育を全面的…

母語の重要性はマオリから、イギリス語を使いこなす姿勢はシンガポールから学べ

個人的に私は、母語の重要性をマオリから、そして、母語を大切にしながらも*1イギリス語を話す姿勢をシンガポールを「反面教師」として、学ぶべきだと思っている。 一般的に言って、日本人はこの両方ともわかっていないと思うからだ。 だから、少なくともこ…

英語を話す必要のない日本の言語環境

「日本の小学校英語教育は時間の無駄である」と主張するIHTの意見記事*1を読んだ。 http://www.asahi.com/english/Herald-asahi/TKY200604190151.html いくつか納得できる点があったが、とくに以下の日常生活で英語を必要としない日本の言語環境という指摘は…

植民地主義的教育か、民族的・国際的教育か

シロソ砦では、日本統治下の際の日本語教育の資料も充実していて、戦時下・占領下には、外国語教育というものが、いかに非人間的なものになるのか、よく理解できる資料がそろっている。 日本統治下には、日本語を強制するプロパガンダが推し進められた。シン…

母語を話す権利

基本的人権の中では生存権が何よりも重要であり、その生存権を保障するためにこそ教育権や労働権の保障が重要なのであるが、こうした基本的人権を保障するためには母語を話す権利という言語権を保障しなければならないということは案外見過ごされがちだ。 ア…

外国語は単にできればいいという単純なものではない

これも何回も書いているように、私が昨年研修してきたアオテアロア・ニュージーランドのマオリは、例外なく英語を話す。それは、学校で英語を押しつけられ、マオリ語が弾圧された結果だ。 植民地教育の中で、支配者の言語を話させた例は世界にたくさんある。…

アオテアロア・ニュージーランドと母語の重要性

首都ウエリントンにあるキーウィが誇る博物館、テ・パパには、真ん中にワイタンギ条約、左にマオリ、そして右にイギリスの展示がされている大規模な展示会場があるが、まさにこれこそが今日のニュージーランドを象徴していると言えるだろう。ニュージーラン…

母語を話す権利

基本的人権の中では生存権が何よりも重要であり、その生存権を保障するためにこそ教育権や労働権の保障が重要なのであるが、こうした基本的人権を保障するためには母語を話す権利という言語権を保障しなければならないということは案外見過ごされがちだ。 ア…

マオリ語委員会の仕事

英語でいうと、Language Commissionにあたるタウラフィリ・テ・レオ(Taurawhiri te reo)という組織がある。日本語なら、「マオリ語委員会」というようなところだろうか。 園長の話では、マオリ語は、部族ごとにコトバが違うが、コミュニケーション的に問題は…

ウォッカもはいって、イングランド言語史を、ジュピターにぶちまける

ジュピターが手土産に持ってきたものは、クリストブ(Kristov)というウォッカだった。 ニュージーランドでも、一日ビールの小瓶1本くらいしか飲まない私はウィスキーなどの強い酒は全く口にしない。いわゆるスピリッツをほとんど飲まない私は、「これ、ウォッ…

文化衝突後に引き続く「同化」政策を乗り越えて、自立・多様性・共生の時代をめざす

西洋文明との接触は、オランダ、そしてフランスとイギリスとの競争など、ヨーロッパ諸国間の矛盾はありながらも、結局は英米のもつ圧倒的経済力と軍事力、そしてキリスト教という神学上のイデオロギーと、司法・行政・立法上の社会制度の導入、そしてそれら…

マオリ語公用語化も、ワイタンギ条約をめぐる審判所での申し立てから始まった

基本的人権の中で重要な位置をしめるものは、なんと言っても生存権だろう。生存権が保障されなければ、他の権利の保障は無意味だ。 もちろん労働する権利、労働権も重要だが、労働権を保障するためには、なんといっても教育権が保障されなくてはならない。教…

CALLの読書課題で面白い論文を二つ読んだ

もう先週の話になってしまうのだけれど、そのCALLの読書課題で、面白い論文を2つ読まされた。 CALLの課題は週ごとにテーマが決まっているだが、先週のテーマは、「少数民族言語とCALL」といった感じの内容で、簡単にいえば、話者の減少により言語文化として…

母語という思想

「母語」というコトバを定着させたのは、言語学者・田中克彦氏の思想的功績である。田中克彦氏の名著である「ことばと国家 (岩波新書)」はあまりにも有名な本であるが、ことばの問題を考える全ての人が読むべき必読文献である。

奥田民生の「E」

ライナーノーツという音楽番組がアルバム「E」を取り上げていたことがあり、これは奥田民生自身が言っていたことなのだが、われわれが責任もてるのはアルファベットくらいという意味が「E]という曲にあると聞いたことがある。この奥田の姿勢は気持ちがいい。…

やっぱり英語なんかに責任なんかもてないや

日本の高校で英語教師をしているものがこんなことを書くと免職になるような気がするので書きづらいのだけれど、わたしは何十年もイギリス語を学んできているけれど、イギリス語なんかには責任なんか持てないというのが自分の気持ちとして正直なところだ。 東…