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フィリマコ・ブラックのアルバム"Hohou Te Rongo"

二年以上前に、アオテアロア・ニュージーランドのニュープリマスの博物館で買い求めたフィリマコ=ブラック(Whirimako Black)の"Hohou Te Rongo"というアルバムがある。 これは、Whirimako Blackにとっての二枚目のアルバムで、タイトルのhohou rongoは、マ…

終わりに (8)

ワイカト大学(The University of Waikato)で応用言語学を学ぶと同時に、マオリ語の初級講座を受講して、マオリ語による簡単な挨拶程度は話せるようになった私は、マオリ文化の影響が色濃く残る北島は東海岸のトータルエマージョンスクールやコハンガ・レオ…

アオテアロア・ニュージーランドと母語の重要性 (7)

首都ウエリントンにあるキーウィが誇る博物館、テ・パパには、真ん中にワイタンギ条約、左にマオリ、そして右にイギリスの展示がされている大規模な展示会場があるが、まさにこれこそが今日のアオテアロア・ニュージーランドを象徴していると言えるだろう。…

母語を話す権利 (6)

基本的人権の中では生存権が何よりも重要であり、その生存権を保障するためにこそ教育権や労働権の保障が重要なのであるが、こうした基本的人権を保障するためには母語を話す権利という言語権を保障しなければならないということは案外見過ごされがちだ。 ア…

例外なくマオリは英語を話すが、マオリ語を話せないマオリはいる (5)

以上のような歴史的経緯から、今日、ニュージーランドに住むマオリにとって、英語を話すことは当たり前のことに過ぎない。今日例外なくマオリは英語を話すといっていい。それは、マオリが生きるために、まさに好むと好まざるとにかかわらず、身につけてこざ…

アオテアロアのニュージーランド化とマオリ語に対する弾圧 (4)

アオテアロアがニュージーランド化される中で、ワイタンギ条約以降、キリスト教化と英語の普及は、徐々に、また急速に進んだ。 いわばこのアオテアロアのニュージーランド化の中で、世界の他の多くの民族と同じように、マオリ語を話すことが弾圧されたという…

ニュージーランドという呼称のもつ意味 (3)

冒頭でも触れたように、ニュージーランドとは、オランダがつけたノヴァ・ゼランド(ラテン語Nova Zeelandia/オランダ語Nieuw Zeeland)(「海の土地」という意)という名称を、その後、オランダに代わって支配したイギリスが、イギリス語風に発音し直して名づ…

アオテアロアと日本文化との共通性 (2)

観光旅行先として人気が出てきているニュージーランドで、オークランドとロトルアとワイトモ洞窟の三角形を五日間ほどでまわる日本人ツアーをキーウィ(ニュージーランド人)たちは全く理解できないものとして観察しているけれど、こうした短期間の旅行であ…

アオテアロア・ニュージーランド (1)

ニュージーランドのことをマオリ語でアオテアロアというが、このアオテアロアと、ハワイ諸島、そしてイースター島、これらを結んだ三角地帯のことをポリネシア文化圏と呼ぶ。 現在ニュージーランドに暮らすマオリは、このポリネシアのハワイキという伝説的な…

今日はワイタンギ・デー (0)

このブログで紹介しているように、私は、ある私立大学の附属高校の英語の教師なのだが、2004年度に1年間の海外研修の機会を大学から得て、ニュージーランドに滞在した。 次の文章は、その海外研修について、「アオテアロア・ニュージーランドと二つの公用語…

初心者の好運でタラウェラ湖で鱒をしとめる

アンドリューも仕事の関係で、昼食後、帰ることになった。 南アフリカ出身のチャールズも昨日帰っているから、これですでに三人が帰ったことになる。 アンドリューともきちんと挨拶をして別れた。 生徒は私も含めてすでに3人しかいないので、講師レイのオン…

テラパ近くの魚屋に行く

昨日は、テラパ(Te Rapa)近くの魚屋にようやく行けた。 ようやく行けたというのは、変な言い方だけど、マオリのホアニに教わった場所に二回ほど行ってみたのだけれど、これまでその魚屋を発見することができなかったからだ。 ニュージーランドで車に乗り始め…

マオリは結構シーフードを食べるようだ

昼飯を食べに大学のカフェに行ったら、先日洪水で大変だったファカターニ出身のホアニを見かけたので、昼飯を食いながらホアニと話をした。ホアニはマオリ語のクラスメートで、前にも書いたように、マオリ語講座には80%以上くらいがマオリという構成で、彼…

フィリマコ=ブラックのCD

マオリ学部の建物の1階に、課題の提出箱がある。これまで習った事項についての簡単な、といっても私にとっては大変にむずかしいのだが、課題が出ていた。昨日、なんとかその課題を仕上げて提出しに行った際に、マオリ学部の建物の中で美しい音楽が流れていた…