台湾映画の「悲情城市 [DVD]」を観てみたい

amamu2006-01-23

 朝日新聞の「越境する文化」「時空をこえて」というシリーズが、なかなかいい。今朝の「「脱植民地」の断層」と題する台湾問題もよかった*1
 この特集で知ったのだが、台湾で日本大好きの若者を「ハーリーツー」と呼ぶようだ。
 よく知られているように、日本に対する「好感の裏に圧制への恨み」があると言われている。「日本に対する好感は外省人への恨みの反動」なのである。つまり、「当時の国民党政権の圧制に苦しんだ台湾の戦後史がある」のだ。だから、これもよく言われるように、台湾のインフラ整備に日本が貢献したにせよ、日本の植民地支配や日本統治時代を能天気に合理化してはならない。
 日本統治時代に終止符が打たれた時期、大陸から来た「外省人」が重用され、台湾人の暮らしは、戦前よりも苦しくなった。そうした背景から、「約1万8千から2万8千人が犠牲になったといわれる」悪名高いあの「228事件」が1947年に起こったのである。
 私は九份もロケ地となった「悲情城市」という映画が1989年にベネチア国際映画祭で受賞したことは知っていたが、残念ながらこの映画をまだ観たことがない。それで今朝の朝日新聞が紹介していた次の内容を私は知らなかった。
 「映画「悲情城市 [DVD]」はこの悲劇を描いた作品だ」。
 つまり、「悲情城市 [DVD]」は、「228事件」を扱った映画だというのだ。それなら、「悲情城市 [DVD]」をどこかで観ねばなるまい。

*1:この特集記事の最後の方で、昨年11月台北市内で「日本は東アジアに在るのか?」と題する座談会が「紫藤廬」(ズータンルー)という茶芸館でおこなわれたとの紹介があった。流行文化を扱うのに、政治や歴史を見ていくことが必要だとの意見も紹介されていたが、私も同感である。これは全くの蛇足だが、紫藤廬には私も行ってきたばかりだ。想像力が欠如している私のような人間は、やはり現地に行ってイメージがわくことが少なくない。