「続・男はつらいよ」第2作を久しぶりに観た

続・男はつらいよ

 「続・男はつらいよ」第2作も、高校時代に学校の映画祭で見た思い出がある。
 第2作は、寅さんの生みの母親役にミヤコ蝶々ミヤコ蝶々も母親役を熱演。マドンナは、夏子役の佐藤オリエ*1佐藤オリエの演技が素晴らしい。
 寅の恩師・坪内散歩先生役に東野英治郎佐藤オリエの恋人役に若き医者の藤村役に山崎努*2
 寅さんが病気になって担ぎ込まれた病院の患者・財津一郎もおかしい。
焼肉屋で無銭飲食で捕まり、寅さんも元気で、警察のご厄介にもなって、妹のさくらを泣かす。帰してもらいたいというこの場面の渥美清は迫力がある。
一月後。京都で寅が夏子と再会する。
散歩先生と夏子と会食をするところで、母親の話になる。
散歩先生に諭されて、京都で母親に会いにいく寅さんが夏子さんとラブホテルに行く場面が絶妙。
ミヤコ喋々の演技が絶品。母親なんかと再会するんじゃなかったと、結果的にうまくいかず、散歩先生と夏子になぐさめられる旅館の場面も秀逸。
 とらやに傷心の寅さんが帰ってくる場面も可笑しい。「おかあさん」とか「おふくろ」というコトバをかけてはいけない。生みの母親に会うんじゃなかったと後悔した寅さんを気遣うトラヤの人々の気配りが可笑しい。
 ハナマルキの「おかあさ〜ん」というテレビのCMで大爆笑を誘う。おいちゃん役はやはり森川信がいい。
金の無心に来たのか、それじゃあまりに自分が三枚目だという寅さんのテーマが繰り返される。
うなぎを釣る場面も可笑しい。
散歩先生の葬式の場面も凄い。医者の藤村の車に乗り込む寅はまさに三枚目の古典だ。
葬儀から帰って来たときの森川信が絶妙。
第2作も第1作に続いて傑作である。
 「続・男はつらいよ」を高校文化祭の映画祭で見ることのできた幸せを噛み締める。
1969年の作品。

*1:佐藤オリエは、1967年の「若者たち」に出演。

*2:1963年の黒澤映画「天国と地獄」の山崎努も医師役だった。