「学校」は、1993年の作品。
学生時代から山田洋次監督の映画は好きだったが、この頃は仕事も忙しく(今も変わらないが)映画館に出かける時間的余裕がなかった。職場の社会科の先輩に、まだ見ていないのか、映画くらい見る余裕を持てと言われた記憶がある。
「学校」は夜間中学の話。
私が主催したわけではないが、原作者に職場に来てもらって話を聞いた記憶もある。
在日韓国人、中国人の生徒や退学した生徒、不登校の生徒が登場する。不登校生徒えり子の母親役の浅利香津代がいい。
先生役の西田敏行も素晴らしいが、なんといっても猪田幸男役の田中邦衛さんが圧倒的に素晴らしい。
とりわけ酔っ払って、何が同じ人間だよ(違うだろう)(差別があるだろう)と叫ぶイノさんの声には、真実がある。
幸福ってどういうことなんだろうと問いかけるホームルーム授業が占める時間は長いが、それがひとつの大きなテーマであり、問題提起である。
授業は生徒とともにみんなでつくるものという意味は重たい。