「男はつらいよ」第9作「柴又慕情」を観る

柴又慕情

 これも何度か観た「柴又慕情」。
冒頭の「貸間あり」の場面から不動産屋めぐりをする寅次郎が可笑しい。不動産屋役の佐山俊二名脇役を演じている。そして、なんといっても自分たちの家を建てようとする博とさくらの気持ちが泣かせる。
 マドンナは歌子役の吉永小百合。金沢、福井と旅する。
 登と寅の再会も楽しい。
 ヨハンシュトラウスの「春の声」が始まると、楽しい旅が始まる。
 歌子の父親役の小説家として宮口精二が出ている。
 宮口精二といえば、黒澤明監督の「七人の侍」(1954年)の中の久蔵役が忘れられない。剣の道を究めようとする侍の役を見事に演じていた。「男はつらいよ」第9作「柴又慕情」では、久蔵役から18年後の宮口精二を見ることができる。
 1972年公開作品。