この作品は前に観たことがあるのか、記憶が定かではない*1。
マドンナ役は吉永小百合が2年ぶりの再登場。
宮口精二がコミュニケーション不全症候群の父親役を好演している。この不器用さは、博の父親役の志村喬と同様だが、宮口精二演じる父親のほうが症状として重たいかもしれない。
宮口精二がとらやを訪れるところは泣ける。
寅さんが歌子と一緒に花火を縁側で観る場面は、少しだけ「無法松の一生」を思い起こさせてくれる。
1974年公開作品。
*1:第13作は全体の雰囲気がからっと明るくないせいからなのか、印象が強烈に残るギャグがないからなのか、シリーズものの中で印象が薄いことは否めない。ただ地味なようでいて寅が歌子を思う気持ち、娘と父親の描写など、丁寧で一貫した描写が優れている。