人権(human rights)について何かよい教材はないかと探していたら、インターネット上で"The Story of Human Rights"という教材に遭遇した。
http://www.humanrights.com/#/what-are-human-rights
10分に満たないビデオなのだが、「人権」(human rights)について歴史をふまえ語っているところが意義深い。
このビデオでは、「人権」(human rights)を以下のように簡潔に定義していた。
The rights you have simply because you’re human.
このビデオを作製した団体は、United for Human Rights (UHR)といい、「人権のための連合」といい、以下のように説明している。
United for Human Rights (UHR) is an international, not-for-profit organization dedicated to implementing the Universal Declaration of Human Rights at local, regional, national and international levels. Its membership is comprised of individuals, educators and groups throughout the world who are actively forwarding the knowledge and protection of human rights by and for all Mankind.
つまり、UHRは「非営利団体」で「世界人権宣言」の普及活動をおこなっている「非営利団体」ということになる。
このビデオの中では、人権を歴史的にたどりながら考えているところが素晴らしい。このビデオの中で、当然、アメリカ独立宣言やフランス革命の人権宣言も扱われており、、Natural Law(「自然法」)が、Natural Rights(「自然権」)になり、Human Rights(「人権に)になったという説明が興味深かった。
アメリカ独立宣言の"All men are created equal."。市民革命の意義。マハトマ・ガンジーが民族の権利を主張した意義。
そして、2つの世界大戦を経て、United Nationsをつくったことと、このサイトが普及することを眼目としている「世界人権宣言」の意義が語られる。
To reaffirm faith in fundamental human rights,
in the dignity and worth of the human person.
6分間ほどビデオは進んで、「人権」は特定の人間に限定されて賦与されたものではなく、すべての人間に与えられるべきものであり、みんなに権利があることになった。「めでたし、めでたし」("And they all lived happily ever after")のナレーションが流れたあとに間がおかれ、「ひとつの小さな問題を除いて」("…except for one little problem.")と、ナレーションが語る。
ここから、ビデオは、人権として食糧や住まいが与えられるのなら、なぜ世界にいまだに多くの子どもたちが餓死しているのだろうか。言論の自由があるなら、なぜ政治犯があとをたたないのだろうか。教育の権利が保障されているのだとすれば、なぜ読めない人がこんなにたくさんいるのだろうか。奴隷が否定されているのなら、今なお何故世界に奴隷がいるのだろうかと、質問をたたみかける。
なぜかといえば、世界人権宣言には法的な権限がない。それはオプションであるからだとビデオは説明し、世界人権宣言をどのように現実のものにするかが課題であると続ける。
マーチン・ルーサー・キング・ジュニア(MLK)やネルソンマンデラ。人権を学ぶことは、過去の歴史の教訓の勉強に終わるものではない。現代の課題なのであると。
このサイトでは、世界人権宣言(The Universal Declaration of Human Rights)が規定している30の権利のビデオクリップも見ることができる。
UHRの支局が東京にあるというので、日本語版を探してみたら、以下のURLで日本語版を見ることができることがわかったが、是非英語版で見てほしい。
http://jp.humanrights.com/what-are-human-rights.html