黒澤映画は何度観ても面白い。
「天国と地獄」では、仲代達矢が仕切る捜査員の組織的な活動、その分業と協業の仕事ぶりが面白い。
刑事という仕事の内容は別として、組織的な仕事の面白さがよく表現されている。
そして役者陣。
これがすごい。
三船敏郎、仲代達矢、香川京子、三橋達也、石山健二郎、木村功、加藤武、山崎努、田崎潤、中村伸郎、伊藤雄之助、江木俊夫、志村喬、土屋嘉男、名古屋章、千秋実、北村和夫、大滝秀治、東野英治郎、藤原釜足、西村晃、菅井きん、常田富士男等々。
映画は、結局のところ、役者が輝かないといけない。
映画監督と俳優陣の信頼関係、その組織的な仕事がうらやましい。
横浜、浅間台、日ノ出町、腰越、江ノ電、江の島など、ロケ地も興味深い。
俺は、黒澤映画では、どちらかといえば、「椿三十郎」や「用心棒」「七人の侍」「隠し砦の三悪人」など、時代劇のほうが好きだ。
最初に観たときは、原作があちらのものであること、現代劇であること、麻薬中毒のシーンがどぎつく感じたことなどに違和感を感じたものだが、今回あらためて観て、映画「天国と地獄」の素晴らしさを感じ取ることができた。
1963年公開作品。